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【総理/山口敬之】の感想 [本/歴史地政]


総理

総理

  • 作者: 山口 敬之
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/06/09
  • メディア: 単行本


【総理/山口敬之/16年6月初版】
後世に残る一冊。
30年後にも、近代史を語る貴重な一冊として、引用されたりしてるとおもう。

よくある安倍本かなと思いましたが、食い込みかたが別次元。
16年間、TBSの政治記者と政治家として、立場を超えたつきあいをしています。

人間力のある記者さんだったのでしょう。
安倍総理、麻生さん、故中川昭一さんとサシで呑んだり、いっしょにゴルフしたり、登山したり。
中川さんの葬式には、安倍さんに誘われて2人で出かけて、奥さんから戒名頼まれたそうです。

なんというか媒介というか。
安倍さんと麻生さんがお互いに面と向かって言えないことや、
直接会うタイミングじゃないとき、著者を媒介にしてるんですよ。
「ちょっと総理の反応を教えてよ」
「麻生さんの考えを聞いてきて」とか。

え、その場面にいたの?
ということのオンパレード。
ぼくたちの知ってる近代史の一場面です。
あの歴史や、発言の舞台裏はそうなってたのかと・・

じつは池袋ウエストゲートパークの最新刊12と併読してまして、
あれって4話で1冊じゃないですか。1話読んだところで「総理」に手を伸ばしまして。

IWGPってメチャクチャ面白いじゃないですか。マンガなみに。
ふつうはノンストップなんですよ。だけど「総理」のほうがノンストップになってしまった。
政治の本はダレるんですけど、とまらない。カッコイイ。涙が出るシーンもある。

TBSで社長賞を何度も取ったり、ワシントン支局長を2013年からつとめたり、
いわゆるエース記者なんですが、2016年5月に辞職します。もったいない。
調べてみると理由は以下。


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『TBSを辞めたのは、「取材したことを報道する」という、
ジャーナリストとして当たり前のことができなくなったからです。

2013年にワシントン支局長としてアメリカに赴任しました。このとき現地の公文書館で、
ベトナム戦争中に韓国軍が慰安所を設けていたことを示す文書を発見しました。
貴重な文書ですから、すぐにニュース番組のなかで放送したいと掛け合ったのですが、
上層部は「デリケートな問題だから、文書だけではダメだ。
その現場にいた人の証言が得られなければ、放送しない」と消極的でした。

そこでさらに取材を進めた結果、当時、現場にいたというアメリカ人を発見、
カメラの前でそのときの証言もしてくれたんです。
「これならいける」と映像編集作業も終えたのですが、
またしても会社の答えは「放送できない」でした。

いったいなぜダメなのか、理由を質しても「君のためにならない」「大統領選も控えている」などと、
要領を得ない答えが返ってくるばかりでした。

これほど重大な事実を伝えないのであれば、もはや自分はジャーナリストではなくなってしまう。
葛藤の末、山口氏はその取材を『週刊文春』誌に寄稿。
「米機密公文書が暴く朴槿恵の゛急所゛ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!」
というタイトルで、2015年4月2日号に掲載されたこの記事は国内外で大きな反響を呼んだ。
ところがTBS上層部は、山口氏が他社の媒体で取材成果を発表したことを問題視したという。

会社からは、ワシントン支局長を解任、営業局へ異動という処分を受けました。
異動には納得できない気持ちもありましたが、
当初は別の部署からテレビ局という組織を見てみるのもいい経験になるかもしれないと考え、
配属先での仕事に取り組んでいました。

TBS山口左遷.jpg

しかし私の本性は記者ですから、
取材して発信するという仕事ができないことには耐えられなかった。
何より取材した成果を明確な理由もなく報道させない組織に所属していても、
仕方がないと考えたのです。そして、退職を決意しました』

う~ん、もったいない。
組織にいるからこそ、できることがあるとおもう。
これだけの人材だったら、だれもほっておかないとは思いますが・・
日本だとキー局というか、TBSの看板は大きい。
とはいえ、組織にいると財務省批判は書けない。
本書は出版できなかったでしょう。


個人的に興味深く読んだのは、消費増税の部分です。
三橋貴明によく叩かれてるじゃないですか。そのときの総理の思考はどうだったのか。


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<10%を延期するとき総理が著者に語った語録>

総理「しかし財務省っていうのはすごい役所だね。
増税実現には手段を選ばないとは思っていたけど、ここまでとはね」

総理「そもそも財務省と、その息のかかった増税派は、
アベノミクスのすべてに反対していたんだぜ。
ところがふたを開けてみれば、アベノミクスでどれだけ税収が上がったか。
財政健全化というなら、税収を上げるしかない。消費税を上げたって、
トータルの税収が下がったら、財政健全化なんかできないんだから」

著者「財務省にとっては結局、消費税を上げることが自己目的化してるんでしょうか」

総理「そう思いたくないけど、そうみられてもしょうがないよね。
財務省の反対を押し切ってアベノミクスに着手していなければ、
大手企業のいくつかは潰れていたという評論家がほとんどだ。
ところが今やトヨタの収益がどのくらい増えたか知っているか?
しかも俺は消費税を上げないと言っているんじゃなくて、18か月後には増税すると言ってるんだ。
総理大臣に増税のタイミングまで押しつけようとする財務省の姿勢は、不遜というほかない」

著者「1997年に大蔵省の言いなりになって消費税を上げた橋龍さんの、
晩年のコメントを思いだします」

総理「国民に迷惑をかけたってやつだよね。前者の轍は踏まない。
そうでなきゃ日本経済は潰されちゃうよ」




<2014年の10%増税への財務省の大キャンペーン>
・谷垣幹事長に増税先送りのデメリットをテレビで言わす。
・新聞や経済誌に先送りのデメリットを強調する記事や論評を書かせる。
・与謝野元財務大臣に増税擁護の論陣を張らす。
・3大メガバンクの頭取に、総理との会食時に増税すべきと進言させる。
・消費増税の環境整備のため、あのタイミングで黒田バズーカ2号を発表させる。
・IMFのラガルド専務理事に、総理との会談時、日本の消費増税を進言させる。




わたしは政治家になりたい♪
そしてこの美しい国を引継いでいく♪

ザ・バーズでI Wanna Grow Up To Be A Politician ♪
高校のときに買ったLPに入ってた曲です。バードマニア。
バーズのレコード買いに行って、これしかなかったんで買いました。
LPのライナーによると鬼っ子アルバムだそうです。繰り返し聴いたので、けっこう気に入ってます。




バードマニア(紙ジャケット仕様)

バードマニア(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2014/02/05
  • メディア: CD



(関連記事)
【天才/石原慎太郎/16年1月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2016-04-09

【警察・ヤクザ・公安・スパイ 日本で一番危ない話/北芝健/15年5月初版】
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【シフト2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来/マシュー・バロウズ/15年11月初版】
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【秘密ノート/飯島勲/13年7月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12

【戦後史の正体/孫崎享/12年8月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22


またね♪

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コメント 2

ヒサ

donさん、こんばんは~
この本、別の紹介記事で知って、すごく読みたいと思っています。
先月は一冊も読まなかったので、読んでみようかなぁ・・・

by ヒサ (2016-10-01 21:14) 

don

ヒサさん、ごぶさたしてます。
お忙しそうですね。

エンタメ本としては面白いです。
さいきんでは、恋愛ものの「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
と同じぐらい面白かったです。
[__犬]
by don (2016-10-02 16:06) 

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