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【魚が食べられなくなる日】要約まとめ~日本漁業の危機 [本/Biz経済]


魚が食べられなくなる日 (小学館新書)

魚が食べられなくなる日 (小学館新書)

  • 作者: 勝川 俊雄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/08/01
  • メディア: 単行本


【魚が食べられなくなる日/勝川俊雄/16年8月初版】
すごくちゃんとした本。
2017年新書大賞に推したい。
2016年の「京都ぎらい」は、もうひとつでした。

日本の漁業が危機にあるってご存知ですか?
ホッケは小さくなって、ウナギは絶滅危惧種、サバはノルウェー産ばかり。
ニシンがいなくなって数の子は外国産、クロマグロはどこいった。

日本の天然資源の漁獲量は、1970年代後半に1000万トン。現在は370万トンです。
実に最盛期の4割をきってます。

なぜこうなったか?


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理由は日本の乱獲です。
獲りすぎちゃったら、産卵できないじゃないですか。種まで食べちゃった。
水産資源の元本を減らし続けたため、残高が底をつきかけてるのです。

・クジラが魚を食べ尽す
・中国が世界の魚を食べ尽す
・地球温暖化で魚が減ってしまった
これらはウソです。

メディアが報道するための情報ソースは、基本的に水産庁か業界団体。
当然ながら当事者は、自分たちが批判される情報発信はしません。
だからどうしても、漁業はがんばってるけど外部要因で苦しんでる、といった報道ばかりになる。


著者は専門家として、10年以上国内、海外の漁業の現場を回ってます。
そして外部有識者として、水産資源評価の会議に出る。
会議で異議を唱えても、さいごは水産庁に修正されてしまう。

水産庁は水産政策審議会に諮問するけど、出席者は天下った水産庁OBです。
実質水産庁の内輪の会議で、身内しかいない会議では、まともな議論が行われない。
日本の過剰な漁獲枠を問題視しない。


漁業国は大きく3つに分類できます。

トップランナーは、ノルウェー、ニュージーランド、アイスランドなど。
1980年代に個別漁獲枠方式を導入して、漁業の成長産業化に成功した国々。


2番手グループは、米国、EU、チリなど。
トップランナーが試行錯誤で方法論を確立した後、追従してる。
米国の漁業改革は、国レベルで大きな成功を収めてます。
ポール・クルーグマンによると、「政府の介入が機能する場合」という記事で、
政府の介入によって、漁業が危機を脱したことを紹介してる。


3番手グループは、日本を含む資源管理ができてない国で、多くは途上国。
途上国は国家の統制力や、資源評価の力がないために、資源管理ができません。
日本が残念なのは、途上国と違ってできないのでなく、できるのにやらない。


以下にその他の読書メモを。


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<養殖魚はどうなのか?>
漁獲量全体における養殖のシェアは、ここ10年横ばい。約8%ほど。
ブリとマダイの2魚種で生産量の約9割を占める。量、種類共に日本の食卓を支えられない。




<養殖には大量のエサが必要>
1キロの養殖クロマグロを生産するには15キロのエサが必要。
養殖クロマグロのエサは天然のサバの稚魚。
最近5年のサバの平均漁獲量が44万トンなので、
日本で捕獲されたサバの3分の1が、養殖クロマグロのエサになっている。

サバの稚魚を獲りすぎたせいで、人間が食べる国産サバが足りなくなって、
高いノルウェー産のサバを輸入せざるをえなくなっている。




<ヒラメの種苗放流では漁獲量が増えなかった>

ヒラメの養殖と漁獲量の関係.JPG

放流尾数を増やしても減らしても、漁獲量はそんなに変わらなかった。
放流魚の回収率は約3%ほど。
天然は裏が真っ白だが、人口環境で育てられた稚魚は、裏にも黒い色素が混じる。
ひっくり返して黒い点があれば、種苗放流由来。

ピークの1999年は約3000万尾のヒラメを24億円かけて放流して、
そのうちの90万尾が漁獲され、6億3000万円の売上になった。4分の1しか回収できてない。

海外では生態系にかく乱を引き起こす可能性があるので、人工的な魚を放流することは規制されている。

ヒラメについては、日本周辺海域を4つに区切って資源評価を行っているが、
震災によって漁獲圧が減少した、太平洋北部のみ急激に増加している。
採算度外視で種苗を撒いても増えなかったヒラメが、太平洋北部ではたった3年で4倍に増えた。
種苗放流よりも、漁獲規制のほうが資源回復に有効である。




<肉よりも魚が高い>
生鮮魚介と生鮮肉のキロ単価推移をみると、さいきんは魚のほうが高い。

肉と魚のキロ単価比較.JPG




<漁師さんの年収>
農水省の2014年の統計によれば、個人経営の海面漁業は、年間の漁労所得が225万円。
個人経営漁業では、家族総出が前提で、平均3.27人の家族が労働している。
漁業を廃業して、家族が同じ時間外で働いたほうが、93万円収入を増やすことができる。
(その地域の平均的な労働賃金との比較)
高齢漁業者の子どもたちはほとんど、親のあとを継ぐことなく別の職業に就いている。




<魚価アップの方法>
いまの日本の漁業は早い者勝ちのシステム。
ノルウェーや米国は個別漁獲枠を設定し、労働時間が短縮された。
漁獲枠が設定されてるので、その漁獲枠はいつでも自分が魚を獲る権利として保証されている。
漁獲枠はいつ使ってもいいので、魚の単価が高い時期に獲りに行くようになる。
急いで漁場に行く必要もないので、燃費の良い速度で船を走らせることができる。

最新の魚群探知機は魚の大きさもわかる。
ノルウェーのサバ漁師は、大きな魚だけを狙って獲り、小さくて単価の安い魚を避ける。
同様に網も小さくする。大きい網だとたくさん獲れるが、水揚げするとき魚が積み重なり、圧力で傷みやすくなる。

ノルウェーの漁師は皆、「漁業とは品質向上との絶え間ない戦いだ」という。
彼らはライバルより早く獲る競争ではなく、魚の品質を高める競争をしている。

ニュージーランドの底引き網漁の漁業長は、
「私たちは網にちょうど15トンの魚が入るようにしている。
20トン入れると魚の質が悪くなる。しかし10トンだと何度も網を入れる必要がありコストがかさむ。
ちょうど15トンで獲るのが腕の見せどころなんだ」

早獲り競争は全体のパイが増えない。
奪い合うためだけのコストがかかり、頑張れば頑張るほど悪くなっていく仕組み。



海を越えて♪
わたしを待ってる人がいる♪

ジェフ・リンでビヨンド・ザ・シー♪
ジャンゴ・ラインハルトの歴史的名盤、「ジャンゴロジー」のラ・メールと同じ曲です。



ジェフ・リンのカバー曲集です。

ロング・ウェイヴ

ロング・ウェイヴ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: マーキー・インコーポレイティドビクター
  • 発売日: 2012/09/26
  • メディア: CD




ジャンゴは左指3本で(やけどの影響)で演奏します。凄い人です。

ジャンゴロジー

ジャンゴロジー

  • アーティスト: ジャンゴ・ラインハルト,カルロ・ペコリ,ステファン・グラッペリ,ジャンノ・サフレ,オーレリオ・デ・カロリス
  • 出版社/メーカー: BMGビクター
  • 発売日: 1994/11/23
  • メディア: CD





(関連記事)
【亡国の農協改革/三橋貴明/15年9月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-10-13

【ローマ法王に米を食べさせた男/高野誠鮮/12年4月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-07-14


3連休、いかがお過ごしですか?
またね♪

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コメント 10

song4u

>・クジラが魚を食べ尽す
・中国が世界の魚を食べ尽す
・地球温暖化で魚が減ってしまった
これらはウソです。

おはようございます♪
これらは全部ウソなんですか!
多くの人々はクジラや中国・韓国、温暖化だと思ってると思います。
もしも本当に全部ウソだったとすると、平然とそういう偏向報道している、
あるいはそのお先棒を担いでいる奴らは処罰されなければなりませんね。

それにしてもビックリだなあ。
キチンと資源管理しながら漁獲してるとばかり思ってました。
日本の乱獲が真犯人だなんて! あまりに唐突で信じられないほど!!
by song4u (2016-10-09 08:49) 

don

song4u さん、
おどろいてくれてありがとうございます。
ぼくもビックリしました。

こういう目から鱗の本が、新書大賞をとるべきで、
少なくとも上位には食い込んでほしいなぁと思います。

著者は、日本の漁業制度と戦っています。
そういう人は応援したいです。
そしてそれは僕らのメリットにもつながる。
[__犬]
by don (2016-10-09 10:25) 

heroherosr

今ごろになって騒いでいるウナギなんかを見ていると、「ダメだこいつら」って思いますもんね
おっさんになって肉より魚がよくなったのに残念です。

by heroherosr (2016-10-09 16:37) 

獏

donさん お早う御座います☆
年食ってくると肉より魚、そして野菜と
一気に終末へと向かっている獏ですが
やっぱり乱獲なんですねぇ。。。
命あるものを人間の手で増やそうなんて
実はおこがましいのかも知れませんね。。。

by (2016-10-10 10:03) 

don

heroherosr さんこんにちは~
むかしは1週間に1回ぐらいウナギ食べてました。
なんか安かったですよね・・・
もう、ずいぶんしばらくウナギ食べてません。
高いですから・・
[__犬]
by don (2016-10-10 21:02) 

don

獏さんこんばんは~
まだまだ終末じゃないです!
ギラギラとチョイワルで攻めましょうよ。
まずは身体を絞って、ガンガン肉も食って、
カッコイイ服買って・・
[__犬]
by don (2016-10-10 21:05) 

seawind335

いやー、この情報操作には騙されていましたね。
ここは、クレバーな議論が必要ですね。
by seawind335 (2016-10-10 21:08) 

みかん

donさん、こんにちは^^

日本の乱獲が原因とは、オドロキました(^_^;)
ちゃんと考えていかないとオソロシイことになりますね。

魚は好きですが、肉も好きで、半分以上は
肉中心の献立になっているかもです(笑)
いま、心を落ち着けたくて久々にステーシー・ケント
聴いています[__猫]
by みかん (2016-10-11 01:51) 

don

seawind335 さんこんにちは~
日本の漁業も、そろそろチェンジしないと・・・
変革って、難しいですよね[__犬]
by don (2016-10-11 12:27) 

don

みかんさんこんにちは~
アメリカだったら、肉中心になるでしょうね。
牛肉が安くて美味そうだし。

ステイシーのアルバムはいろいろありますが、
やっぱり「チェンジングライツ」が好きですね。
彼女の作品では、いちばん心が落ち着くアルバムです。
[__犬]
by don (2016-10-11 12:32) 

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