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司馬遼太郎の考える出世の条件~「ビジネスエリートの新論語」より [本/Biz経済]


ビジネスエリートの新論語 (文春新書)

ビジネスエリートの新論語 (文春新書)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/12/09
  • メディア: 新書


【ビジネスエリートの新論語/司馬遼太郎/16年12月文春新書初版】
司馬さん大好きです。
きらいな人いないんじゃないかな。
もう彼を超える国民的作家は出てこないとおもう。
村上春樹はジャンルが違いますしね。

村上春樹はフォロワーがいっぱいいるけど、司馬さんは誰もマネできない^^
いや、フォロワーがいっぱいというのも、影響力の観点からはスゴいけど。

本書は司馬さんが32歳のとき、1955年に書いた本です。
サラリーマンに効く名言を、司馬さんなりに集めて、サラリーマン道を説く。
今の時代は一瞬で検索できますが、当時はできない。記憶と参考文献の時代です。
司馬さんの知識は海のように広く、彼の説く道はきわめて正しい。
まだ司馬遼太郎と名乗るまえ、福田定一で出版した本です。
ヤング司馬遼太郎。

瑞々しい。今とそんなに感覚はかわらない。文体もポップ。
これ、今の人が書き直したんじゃないの?と思うくらい。

しかも32歳で賢い。早老成。
自分なんかずいぶんオッサンだけど、32歳の司馬さんの足元にも及ばない。
いや比べたらアカンか。すいません。

司馬さんの若いときの画像検索したら、22歳の時のが出てきました。
ガールズ&パンツァーの福田のモデルになってる^^

司馬遼太郎若いとき.jpg


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司馬さんが新聞記者になった理由。タマタマだったようです。
1945年戦地から復員して、就職先を探してた。闇市をうろついてたら、電柱のビラを見つけた。
「募集」。鋳物工か旋盤工か?よく見ると「記者募集」だった。
後ろにいた男も同じビラを見てた。同じような復員学生。彼が言う。
「新聞記者とは面白そうじゃないか。行ってみよう」




司馬遼太郎の誕生シーンを。あとがきの義弟の回顧から。
『司馬遼太郎名が決まった瞬間のその情景を覚えている。
私どもの家で司馬遼太郎、それに姉と母と雑談の最中だった。~
この日も笑いの絶えない会話の中で、自身の筆名について母に相談している。
史記を愛読し司馬遷からとった姓の司馬はすでに決めていた。
名前はいくつかの候補があったという同僚もいたが、
私が聞いたのは「遼」一文字か「遼太郎」のいずれにするか、であった。
「遼」は司馬遷にはるかに及ばず、という意味だという。
「遼太郎が落ち着くね」と母が言った一言で姉もうなずき、「司馬遼太郎」が生まれた』




司馬さんの思うサラリーマンの元祖。
大江広元。鎌倉幕府の草創期に現れた人物。
武士というより京都生まれで、その学を買われて源頼朝に10倍の給料でスカウトされた。
詳細は本書であたってほしいのですが、権謀の名人、保身の達人。
私利のために才能を使わず、行動の基準はすべて鎌倉秩序のため。
役に立つ上に公正。誰も彼を蹴落とすわけにはいかなかった。
座右は「益なくして厚き禄(ろく)をうくるは窃むなり(ぬすむなり)」




司馬さんの思うサラリーマンの英雄は徳川家康。
秀吉は立志美談すぎて参考にならない。サラリーマンとは人生のコースが最初から違う。
信長は社長の御曹司。大学を出て親の会社を継いで10倍のスケールに仕上げた。
家康、田舎の小会社の主だったが経営不振のため、幼少のころから大会社に身柄を引き取られ、
20歳前後まで社長職を継げなかった。継いでからもレッキとした独立権はなく、
いいジジイになるまで親会社に使えて気苦労ばかりしてる。苦労人。

家康の有名な遺訓を。
『人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり』




その他の読書メモを以下に。
いつもは読みやすいように書き直してるのですが、今回はほとんど文面のままです。
司馬さんの文章って、リズムがいいんですよね。


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<人間の顔について>

リンカーンはいう。「40歳を過ぎた人間は、自分の顔に責任をもたねばならぬ」
キケロもいう。「顔は精神の門にして、その肖像なり」

青少年時代の顔は、生まれ出た素材そのままの顔だ。持ち主の責任はない。
ところが老いるにしたがい、品性その他すべての精神内容が、その容貌に彫刻のノミを振い出す。
四十をすぎれば、強盗はズバリ強盗の風ぼうを呈する。

教養、経験、修養、性格、若いサラリーマン時代のすべての集積が、四十を越してその風ぼうに沈殿する。
逆説的にいえば、四十以後のサラリーマンの運命は、顔によって決定されるといっていい。
ヴァレリーはこの恐るべき顔の再生を、こう表現している。
「人間は、他人の眼から最も入念に隠すべきものを、人々の眼にさらして顧みない」




<司馬さんの考える出世の条件>

出世するには最初に規格がある。学閥、親分閥、部課閥、その他の縁閥、
まずその1つか、できればそのすべてを持つ必要がある。

ついで人間のタイプだ。独立自尊型、というのはあまり香しくないようである。
好かれなくてはならない。というより、可愛がられるタイプでなければならない。
すこし坊っちゃん坊っちゃんしてる。多少頼りないところがある。
そのくせチョッピリ直情径行なところもある。仕事をやらせば10人並みには出来る。
が、ときどき女にダマされたりして、どうも独りではほっとけない。
そんなのに、上役というものは、つい肩入れしてしまうものだ。構ってやりたくなるのである。

独立自尊型は、えてしてこうではない。
仕事と人生に対する自信が、まず、まんまんとツラツキに出ていて、可愛げがない。
実力に対する自信があるから、実力相応に報われないとつい不平が出る。
不満は多くの場合、自分を有能の士として知遇しない上役に向かって放たれる。
やがてそれが聞こえる。よほど特異例でないかぎり、
こういうのが引き立てられる例はきわめてマレだ。
せいぜいよく行って地方の支店長あたりがトマリで、ついには言語動作まで野武士化し、
同期の重役の無能を罵倒しつつ停年に到達するのがオチである。

以上のよき条件をすべて具えていたところで、それだけではどうにもならない。
あとは運である。もし親分が死んだり、事故で左遷されたりすれば、それでフイだ。
親分が隆々社の主流を占めてはじめて、彼の運は開けるというもので、
その命中公算の稀少さはパチンコ玉の比ではない。




<仕事に関する名言>

・義務は、朝われわれと共に起き、夕べ、われわれと共に寝る。グラッドストン

・人は、義務を果たさんがために生きるのである。カント

・私は、義務を果たした。ネルソン臨終のときのことば

・職業は、生活の背骨である。ニーチェ

・多忙な蜜蜂には悲しむ暇がない。ブレーク

・人間が幸福であるために避くべからざる条件は勤労である。トルストイ




<大丸店祖>

「義を先にして利を後にするものは栄える」
蒼古たる表現だが、含まれている真理は錆びついていない。
伝説によればその窮乏時代、京の禅僧がその人物を見こんで、
商売の資本50両とこの言葉をあたえ、彼を江戸に出した。

のち、成功してこんにちの大丸百貨店の基礎をきずいたが、
生涯「先義後利」を事業精神にしたため、
天保8年大阪の天満与力大塩平八郎が指導した町民一揆のさいも、
大塩みずから暴徒の前に手をひろげ、「大丸は義商だ」と叫んだため略奪をまぬがれている。




酔って候 by 柳ジョージ 
無名時代の柳ジョージが司馬さんの自宅にお願いに行って、この曲の許可をもらったそうです。
司馬さんの作品にインスパイアされて書いた曲。まんまパクリのタイトルだったので、覚悟したそうですが、
「いい曲だ」といってくれて、笑顔で許可してくれた。サインまでもらって感激したと。さすが人たらし。




ベストセレクション

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 1990/12/21
  • メディア: CD




(関連記事)
【歴史小説の罠 司馬遼太郎、半藤一利、村上春樹/福井雄三/13年12月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2014-03-08

【ゴーストライター論/神山典士/15年4月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-06-09


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コメント 4

ぼんぼちぼちぼち

酔って候 ほんとにいい曲でやすね!ブルース好きなので聴き入ってしまいやした。
柳ジョージベスト 買おうかな(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2017-01-30 18:38) 

don

ぼんぼちぼちぼちさん、こんにちは~
むかし聴いてた柳ジョージのベスト、同じのがないんですよ。
いろんな種類のベストCDがあるのですが、LPと同じ選曲のがない。
わりと近かったのが、上に貼ったベストでした。

by don (2017-01-31 12:27) 

みかん

donさん、おはようございます^^

恥ずかしながら、司馬さんを読んだことがありませぬ(汗)!
日本に帰ったら、手に取ってみようと思います。
春樹ばかり追いかけてきました(笑)

今年、40歳になるのですが、自分の顔に責任を持つ年、
がやってきたのですね~。

今日、ヤマト運輸さんが引っ越しの見積もりに来ました。
意外と、物は多くなかったようです。
ほとんどは船便で2か月かけて輸送で、60キロぐらいは
航空便で持ち帰れるようです。

後任の人は、これから人間ドック後、ビザ申請なので、
4月以降にズレ込んだ場合は、ホテル暮らし又は
私だけ先に帰るのもアリとか、色んな案が出て来ました(^_^;)
by みかん (2017-02-01 00:52) 

don

みかんさん、こんにちは~
船便、2ヶ月もかかるんですね。もっと早いと思ってました。
バタバタすると思いますが、アメリカライフを楽しんでください。

司馬さん、女性はあまり読んでる人みないですね。
日本史好き、戦国好きなのは、男の方が多いからかな。

とにかく長文ですが、「竜馬がゆく」から読み始めるのが面白いかと。
ぼくは「義経」とか「国盗り物語」あたりから読み始めました。
図書館で全集借りるのが、リーズナブルでよいと思います。
[__犬]
by don (2017-02-01 12:34) 

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