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【のし(熨斗)の意味って酒を贈ることだった】~「なぜ日本人はのし袋を使うのか」より [本/ハウツー]


なぜ日本人は「のし袋」を使うのか? (淡交新書)

なぜ日本人は「のし袋」を使うのか? (淡交新書)

  • 作者: 齋藤 和胡
  • 出版社/メーカー: 淡交社
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: 単行本


【なぜ日本人は「のし袋」を使うのか?/齋藤和胡/16年12月初版】
「のし袋」ご存知ですよね。
結婚や出産、開店のお祝いなどでご祝儀を入れる袋です。
考えたこともなかったのですが、謎の模様にはちゃんと意味がありました。以下本書から。

熨斗(のし)包みには必ず表面の右肩に、
末広形の小さな折り紙のようなものが貼ってあるか、絵が描いてあります。
それらは「小熨斗」または「折り熨斗」と呼ばれ、目的があってそこに配置されています。
ご挨拶用の軽い目的で贈るときは印刷で済ますことも可能。ただ省くことはしません。

紙を折って作られている「小熨斗」の姿を見ると、それは折り畳んだ紙の中に、
帯状の黄色いものが大事そうに包み込まれ、金色の紙帯で閉じられてます。印刷も同じ模様です。
この大切にそうに挟まれている黄色いものは、あるものの代用品です。

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あるものとは、貝の「鮑あわび」です。
鮑を薄く削って伸(の)してから干した鮑(熨斗鮑)を、
小さな短冊形に切って、白赤の紙で包んだ姿が「小熨斗」の本来の姿です。

少し前の時代までは、本物の伸した鮑を小さく切って挟んでいたのですが、
なぜこんなところに鮑を包む必要があるのでしょうか?

日本は海に囲まれています。昔の人々にとって海は神秘です。
神秘な海の底から採取される海産物の中でも鮑は、時として真珠を抱いていることがありました。
養殖技術のなかった古人にとって、天然の真珠は宝珠で、神の霊力を抱いた神聖な恵みでした。
そんな玉を抱く鮑も、特別な霊力を備え持つ貝として珍重されたのです。

最高の礼を尽くした贈答品として鯛や鯉などの魚類、キジや鶴などの鳥類とともに、
酒と伸した鮑(熨斗鮑)を奉書紙に包んで贈ることが、もっとも礼を尽くした贈答の作法とされ、
酒と鮑は対のように扱われました。

贈りものは酒と一緒に贈る、酒は必ず添えるという考え方が長く人々にありましたが、
やがて贈答品に熨斗鮑を添えれば、酒を添えた事と同じという意味を持つようになっていく。
次第に酒が省かれることが多くなり、酒は添えずとも熨斗鮑は必ず添えるという作法が生まれます。
長い時間をかけてその行いは形骸化され、その結果が小さな折り熨斗です。
小さく切った熨斗鮑が添えてあればオッケーとなって、現代に繋がっています。

ちなみに熨斗鮑を献上するようになった由来は、日本書紀(720年)によると以下。
ヤマトヒメノミコトが、アマテラスオオミカミを祀るにふさわしい場所を探して日本中を巡行し、
ついに伊勢を鎮座地とします。

そのとき志摩の海で海女が獲っている貝を見て、ヤマトヒメノミコトは「これは何という貝か」とお聞きになる。
海女は「これは鮑と申します。大層おいしゅうございます」

賞味したヤマトヒメノミコトはその美味しさに感動し、「毎年伊勢神宮に献納してほしい」と依頼する。
生のままでは腐るので、薄く切って乾燥させた鮑が伊勢神宮に献納されるようになる。
神宮鎮座以来二千年以上の長きにわたって、鮑の献納の約束は延々と引き継がれています。


以下にその他の読書メモを。


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<なぜお香典、ご香料というのか?>

昭和の初めごろまでは、焼香用の香を自らが準備、持参して葬儀に駆けつけ、
懐から香を出して霊前に香華を手向けるというのが弔問の作法だった。
次第に葬儀を出す喪主側が焼香用の香を準備するようになる。

香を持参する必要がなくなったことで、弔問する人々はお香の代金として金銭を包むようになった。
そのため「御香典」「御香料」と書かれている。

通夜や葬儀は「御霊前」、初七日以降故人は御仏となられるので「御仏前」になる。
ただ四十九日まではまだ霊であるという宗派もあるので、迷ったときは「御香典」とするのがよい。




<熨斗の作法>

熨斗をつけるのは慶事のみ。火事見舞いや病気見舞い、葬儀への香典にも熨斗はつけない。
また和牛やタイを贈るとき、肉や魚は生臭物で、熨斗に使う鮑も貝類なので同じ部類になる。
なので肉や魚を贈りものにするときは、伸した鮑を包装につけるということは、品物が重複するので熨斗をつけない。




<「内のし」と「外のし」の違い>

内のしは包装紙の内側、外のしは包装紙の外側。
お品の箱に直接かける「内のし」のほうを格上とする。

包装紙は品物を傷めない、外の穢れからお品を守るためになされるもの。
本来は相手にお渡しする時点で外すもの。

明治や大正の作法では、贈り物の箱に直接熨斗紙がかかり、
その品を風呂敷に包んで先方へ出向き、部屋に通されて風呂敷を取り払って渡すということが、
上品で丁寧な送り方として一般的に行われていた。




<酒には霊力が宿る>

婚礼などの祝い事に招待された者は、主催者宅を訪問し、
「本日はお日柄も良く、誠におめでとうございます。祝いの品を持参しました。どうぞお納めください」と口上を述べて、
用意してきたお祝いの金子(きんす)と日本酒を贈ることが、かつての日本での祝い事に参列するものの作法だった。
酒のない冠婚葬祭などは考えられなかった。

酒は饗宴に集う酒好きのために用意するというわけではなく、
その場を清めて清浄にするという力があるとされることから、祝儀にも弔事にも必要な品。
酒は喜びを倍増させ、悲しむ心を癒してくれる品として、なくてはならない大切な必需品。
かつては相手の栄を願う気持ちを込めて、霊力のある酒を贈りものと一緒に贈ることが、贈答の礼儀とされていた。

それは次第に変わり、本当のお酒を持参しなくても、酒の肴になり、寿(ことは)ぎの心を表す、
熨斗鮑を贈答品に添えることで、贈り物に酒を添えたという証となるという解釈が生まれ、
熨斗さえつければ、礼は尽くされているというように変化した。
その熨斗鮑も次第に小さくなり、まるで切れ端のようになったが現在でも熨斗は途絶えていない。




強いお酒に こわい夢♪
いつか死ぬとき 手ぶらがBest♪


きのう酒飲みながらスペシャ見てたら、12位初登場のこの歌が刺さってきた。
KOHHって父親は韓国人、母親が薬物中毒とカミングアウトしてる。日本のエミネムだと思う。
一億総中流から格差社会になって、日本も本物のラップが出てきた。
音楽に文学を求めると、ロックは駆逐されてラップばかりになる。
アメリカのチャートみたいに。




Fantôme

Fantôme

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2016/09/28
  • メディア: CD




(関連記事)
【古事記/池澤夏樹訳/14年11月初版】
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コメント 2

青山実花

「小熨斗」という言葉も、意味も、
初めて知りました。
どんな物にも、必ず意味があるんですね。
勉強になりました。
by 青山実花 (2017-02-01 22:36) 

don

青山さん、こんにちは~
歴史も古くてアマテラスまでさかのぼるという。
知ってる人は知ってるんでしょうけど。
ぼくもはじめて知りました。
[__犬]
by don (2017-02-02 12:28) 

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