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【上流階級 富久丸百貨店外商部Ⅱ】要約まとめ~続編はドラマ化されるのか [本/文学芸術]


上流階級 富久丸百貨店外商部II

上流階級 富久丸百貨店外商部II

  • 作者: 高殿 円
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【上流階級 富久丸百貨店外商部Ⅱ/高殿円/16年10月初版】


この小説、なんでこんなに面白いんだろう。
前作がおもしろすぎて、とうとうシリーズもんになってしまった。
最近では一番のエンタメ小説です。

前作は竹内結子で2015年にドラマ化。
ルームメイトのゲイは斉藤工、上司は竹中直人。
憧れの人は草刈正雄。彼女を引き上げた常務は桂三枝。

ご存知ない方のため、前作の概要を。
未読の方は是非読んでみてください。ドラマより本の方がおもしろいです。
で、本を読むとドラマも見たくなる。
自分が頭の中で想像したシーンは、実写ではどうなるんだろう。


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『竹内結子は百貨店ケーキ売り場のバイトから、
資質を認められ契約社員、そして正社員となる。
いろんな職場で企画を大当たりさせ、外商部へ抜擢。
外商は百貨店の売上4割を支える屋台骨。男の職場で竹内結子は唯一の女性社員。

竹内の仕事にひたむきな姿勢は、いろんな先輩に認められ、
伝説の外商マン、草刈正雄の後継者候補となる。

女の嫉妬の渦巻く百貨店、外商勤務という事で、男の嫉妬にもあう。
しかし彼女の真摯な姿勢はいろんな人を巻き込み、やがて大きな仕事を成し遂げてゆく』




外商部が舞台なので、いろんなお客さんとの絡みというか、サイドストーリーが展開します。
本作では4つの大きなトピックが展開する。


人一倍気をつかう客の鶴さん(高畑淳子)。皮肉屋だ。
最近はどうも気弱になってる。なぜか?溺愛する末の孫娘が不登校気味だという。
孫娘の相手をし、彼女が興味をもつお菓子作りの本場、フランス旅行へ同行する。
竹内結子は20年前フランスに滞在した。その経験が生きる。


斎藤工の実家は大金持ちだ。
母親は巨大企業創業家の娘で、ゴッドマザーとして君臨し、一族は政治家も排出する。
そんな名家のなかで、三男の斎藤工はゲイで、若いころ分家に養子に出された。
複雑な思惑があっての措置なのだが、ゴッドマザーは竹内結子に、仮面夫婦になってほしいと。
この話は大きく展開する。鉄仮面のようなゴッドマザーは、最後に感情をあらわにする。
「私の息子を誇らない世の中が許せない」
斎藤工がすごくがんばって、まっとうにやってるのに、
ゲイというだけで、肩身の狭い思いをする世の中が許せない・・・


神戸の巨大ヤクザ組長の愛人、松雪泰子。
彼女はカゴのなかの鳥。一人目の息子は正妻にとられてヤクザの本家で生きている。
彼女に二人目の子どもができた。彼女はもう二度と子供を盗られたくない。
松雪泰子はシングルマザーで子どもを育てることを願うが、組長は許さない。
「助けて」といわれ、竹内結子は巻き込まれ、巨大ヤクザと対峙することになる。
この話が面白い。手に汗握ります。ドラマになったら最高の山場。
でも今どき、ヤクザな話は放映できないかも・・


外商の催事、上得意ばかりあつめた特賓会。
春の園遊会、夏の風雅会・・
さいきんはお客も飽きて、催事がじり貧になっている。
百貨店の命運をかけた催事のてこ入れ、全社プロジェクトだが竹内結子の案が採用されてしまう。


その他にも、いろんなお客さんの「困りごと」を、
人脈を活かしたり、知恵を絞ったり、スーパーマンのように解決していく。
お客さんにものすごく感謝され、外商の中で存在感はどんどん大きくなっていく。

とはいえ竹内結子は、バイトからのたたき上げの中途採用、
入社年次などから、役職が上がったり給料が増えるわけでもない。
そういう現実的な部分もしっかりと描く。


以下にその他の読書メモを。


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外商員はストレス発散の相手


弁護士や会計士の仕事は会社のトラブルの処理だけではなく、
ほとんどは社長さんの世間話につきあう事だと聞いたことがある。
大きな会社になればなるほど、トップは孤独で誰にも愚痴すら言えなくなる。
そんなとき守秘義務のある相手は楽だ。同様に外商員も彼等のストレス発散のお役に立つ。




百貨店の付加価値とは何か?


インターネットが普及してからというもの、
大小の小売業にとってネットやアウトレットの登場は脅威であり、
何度も差別化が求められてきた。

あくまで定価売りを重視し、
サービスに付加価値を見いだそうとする百貨店には厳しい現状が続いている。
しかもサービスが付加価値、と口酸っぱくして言われても、
それが具体的にはどういうことなのか、明文化できる人間は少ない。

けれど、ネットやアウトレットにはない特殊なサービスが百貨店にはある。
そのなかのひとつが外商だ。
今まで静緒はこの外商というスタイルの価値を十分に理解してはいなかった。

ネットやアウトレットでものを買わない富裕層のリストを持っているということは、
これから格差社会が広がるといわれている日本では、大いに強みになるかもしれない。

そしてその富裕層が求めているもの、究極のサービスこそ、’’恩’’だ。
サービスというのは、それに大きい小さいあれども’’恩’’なのだ。
この恩こそが信頼関係の構築に繋がり、一見客をリピーターに変えさせる。
そのための丁寧な接客、笑顔、物腰だ。決して接客だけがサービスではない。

恩を売ろう、と静緒は思った。
物を売りながら、それに終始せずに恩を売り続けよう。
それがきっと、自分の目指すまだ影も形も見えない到達点に一歩でも近づくヒントなのだ。




事故物件の処理方法


外国人は敷金とか礼金とかいう日本人のような慣習はないから、
日本の不動産を通すことにデメリットを感じる。
ほとんどは駐在外国人専門の業者や、インターネットサイトを利用する。

事故物件を、縁起が悪いと敬遠する感覚も外国人にはあまりない。
外国人の感覚としては「人は死ぬもので、別に不思議なことはない」
外国人が大事にするのは間取りや周りの環境。日本人は電車通勤なので駅近を重視するが、
社用車を与えられている駐在外国人サラリーマンは、多少車で時間がかかっても、
海が見えたり緑が多かったり、景観のいい部屋を求める。




斎藤工とゴッドマザーのやり取りを読んでると、
ロッドスチュワートのあの歌が、頭の中をまわってました。


ジョージーはいわゆるゲイだった♪
彼のオフクロさんは泣いたけど 彼は変わらなかった♪
ある午後 それでも自分は他の人のように♪
愛が必要なんだと 懸命に訴えていた♪

なにか間違ってる オヤジさんはぼやいた♪
一生懸命話そうとしたし やってきたつもりだ♪
だけどなぜ息子は ’’まとも’’になれないんだ♪

長距離バスに乗って 彼は家を去るしかなかった♪
だって愛する人に 受け入れてもらえなかったから♪


古い過去記事ですが、全訳はここに。http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23
ロッドスチュワートで、キリングオブジョージー♪
’’まとも’’って何でしょう。本書の主要テーマです。



(関連記事)
【上流階級 富久丸百貨店外商部/高殿円/13年11月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2014-12-06

【宝くじで1億円当たった人の末路/鈴木信行/17年3月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2017-05-16

【山口組分裂抗争の全内幕/盛力健児、鈴木智彦ほか/15年12月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26

【アマゾンと物流大戦争/角井亮一/16年9月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2016-11-30

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コメント 4

青山実花

本もドラマも全く知りませんでした^^
面白そうですね。
今度読んでみます。
by 青山実花 (2017-07-11 23:22) 

don

青山さん、こんにちは~
1作目から読まれることをおすすめめします!
続編なので。[__犬]
by don (2017-07-12 12:24) 

みかん

donさん、こんばんは^^

外商部のお話、奥田ひでおの「ナオミとカナコ」で
すこしだけ興味がわきましたが、この本は
たくさんのドラマがあって面白そうですね!
図書館で借りようかな~。

疲労の本、なかなかメールが来なくて予約状況をみたら
8番目、となってました^_^; はやく読みたいですっ[__猫]
by みかん (2017-07-12 21:31) 

don

みかんさん、こんにちは~
小説系は、なかなかまわってこないですよ。
ノンフィクションは、わりと早いですが。
世の中には、小説好きな人いっぱいいるんだなあ。
っていつもおもいます。
[__犬]
by don (2017-07-13 12:30) 

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