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バナナの値段の違い。「くらべる値段」書評と読書メモ [本/Biz経済]


くらべる値段

くらべる値段

  • 作者: おかべ たかし
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2017/08/08
  • メディア: 単行本


【くらべる値段/おかべたかし、山出高士/17年8月初版】


モノの値段って、なんでこんなに違うんだろう。
ワインなんか典型ですよね。本書には出ていませんが。

500円のアルパカと3000円のシャブリ。
この1年で2回ほど家族で、シャブリとアルパカを飲み比べた。
たしかにシャブリのほうが、酸っぱくなくて美味しい。みんな同意見です。
飲み比べても間違わない。

だけどそこに6倍の価格差はあるのか?
客観的には2倍ぐらいが許容差ではないのか?という結論になりました。
シャブリは美味い。だけどそれは、あるわずかな違いで、そこに6倍の差はない。
500円ワインの品質が上がったから、そういうことが言えるのかもしれませんが。
ユニクロが高品質だから、それでいいや!というのと同じかも。

ちなみにワインの価格差は「テロワール」が原因です。
「テロワール」とは、ワインだけじゃなく、ぶどうを生みだす土壌とか気候みたいなものも、
ボトルの中に封じ込められているという意味。

舌から伝わってくる味の先には、ぶどうを生みだした土壌である砂利、粘土、
火山灰はもちろん、周辺に住んでる動物とか、土に棲息する虫とか細菌、
その土地の人の性格など、あらゆるものが絡んで、複雑な味を形成する。

たとえばそのぶどう畑の周辺にキツネが棲んでいたり、
鳥小屋があったりすると、意図せずとも土にキツネやニワトリのふん尿がまじる。
またぶどう畑にハーブが生えてるとか、オリーブの木が植わってるようなこともある。
そういうものすべてがワインの味に影響する。

一般的には「水はけがよい、やせた土地」が良いブドウ畑です。
よいブドウ畑によいテロワール、限られた希少な土地で生産されるものは、
希少であるがゆえに高価になる。


以下に本書から4つのモノの値段の違いについて。バナナ、万年筆、靴、ギター。


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バナナの価格の違い


バナナの味と価格を決定するのは、栽培された標高の違い。
高地で栽培されたバナナは、寒暖差によってでんぷん質を豊富に含み甘く美味しい。
これはバナナの大きさにも反映され、高地のものは張りがしっかりして太い。
低地のものは短期間で収穫できるが、どうしても細くなる。
高地で栽培されたものは、輸送費、人件費がかさむので、価格も高くなる。

一房100円のバナナはフィリピンの低地で栽培されたもの。
一房298円のバナナは同じフィリピンでも高地で栽培されたもの。
これにエクアドルなどの南米で栽培された198円ほどの価格帯で売られている3種が、
現在の日本のバナナ市場の大半を占めている。

なおバナナは害虫を上陸させないため、青く熟していない状態で輸入するよう定められている。
日本で黄色く熟成させてから店頭に出荷させる。
急加温と急冷蔵によって5日で出荷する業者が多いが、
美味しさを引き出すため7日かけてじっくり黄色くするものもいる。
高地のフィリピンバナナも美味しいが、酸味のある中南米のバナナも美味しい。




1000円の万年筆と1万円の万年筆の違い


ステンレス製のペン先が1千円。金(au)製のペン先が1万円。
筆記具のなかで、万年筆だけがもつ特性である「弾力」。
この弾力を生み出しているのがペン先の形と素材。

万年筆が登場した当初、その素材は鉄が主流だったが、
当時のインクがもつ「酸」によって、腐食するという問題があった。
この腐食問題を解決し、しなやかな弾力を生み出すのがペン先の「金」。
今に至るまで広く使われているが、どうしても高価になり、
新たなユーザーを開拓しずらい状況にあった。

この点を解決しようとパイロットが開発したのが、
ペン先がステンレス製の1千円の万年筆「カクノ」。
パーツも限りなく少なくすることで値付けに成功し、新たな愛好者を開拓している。

エントリーモデル。
「キチンとした安いもの」には、
「高いものを買ってみたい」という気持ちを喚起させる力がある。
「下手な安いもの」には、この力がない。

1千円の万年筆「カクノ」は「キチンとした安いもの」。
著者いわく、本書で紹介されてる安価品ではベストだと絶賛。
著者も本書の企画で知って、愛用はじめたそうです。








「カクノ」の中字。買っちゃいました。
著者があまりにもほめるんで、つい買っちゃった。人に影響うけやすいタイプ(笑)。
20年前の安価な万年筆に比べると、ペン先がしっかりして硬い。
万年筆初心者は、細字より中字がいいようなので中字をチョイス。
ジェットストリームでいうと0.7~1.0ぐらいの太さ。


DSC_0931.JPG


インクは赤にしました。
業務連絡を赤ペンで書いて渡すことが多いので、よく使います。
ラッションペンとか赤えんぴつ使ってましたが、万年筆に昇格です。なんか優雅。


DSC_0932.JPG


黒の筆記具はたくさん持ってる。黒インク買ってもたぶんつかわない。
いまは、えんぴつは「ハイユニ」、シャーペンは池上彰絶賛の「プレスマン」、
ボールペンは老舗の「モンブラン」、お手軽ボールペンはみんな大好き「ジェットストリーム」。
その時の手の疲れによって、ジェットストリームとモンブランを使い分けてます。
重みや摩擦がほしいときはモンブラン、軽さと滑らかさがほしいときはジェットストリーム。
選び抜いた筆記具なんですが字はミミズ。後で読めないことがおおいです(笑)。


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3万円の革靴と6万円の革靴の違い


日本製の革で作れば3万円の靴。フランス製の革で作れば6万円。
革靴の価格を決定づける最大の要因は、素材の革にある。
1足6万円の靴には、3万円の靴にはない「つや」と「きめ」の細やかさがある。
これは革の質の差。

革靴には繊維がしっかりして「きめ」が細かい「カーフ」と呼ばれる仔牛の皮が最適とされるが、
この良質の原皮は、皮革業が地場産業であるヨーロッパのタンナー(なめし業者)が買い占める。
そのため、どうしても西洋の革で作ったものが上質になるという。




ギターの価格差


1本4万円と60万円のギターの違いの一つに、
ボディを形成する木が「合板」か「単板」かが挙げられる。

木を重ねてつくる合板のボディは安価で丈夫だが、
接着剤の影響もあって弦から出た音の伝導が損なわれてしまう。
一方単板は高価だが、このような音のロスが少ない。

また4万円のギターは大量生産されているのに対して、
60万円のギターは職人によって細部まで作り込まれており、
この人件費の違いも価格差の大きな要因。

高価なギターはボディや指板の素材はもちろん、ペグと呼ばれる弦を巻くパーツも上質。
ギターを見慣れた人は、このペグの品質だけで価格の見当がつくという。




スティーリー・ダンでペグ♪ 
17年9月3日ウォルター・ベッカーが亡くなりました。大物が次々と・・ 
MVで最初にギター弾いてる人です。追悼。




さっき晩酌時に、CATVとアベマTVをザッピング。
アニメ「恋と嘘」に思わず見入ってしまった。ラブコメなんかふつうはスルーするんですが。

超少子化対策基本法で、結婚相手を政府が選ぶ未来社会。政府は遺伝子で最良の相手を選ぶ。
「政府通知」の美少女より、大好きな幼馴染がいるイケメン。恋の三角関係。
人の本能を否定する作品は、無性に心かき乱される・・

これ10月14日に実写映画になるようです。原作マンガと違って女1人に男2人の設定。
マーケットはそっちのほうがデカそうですね。



恋と嘘 映画ノベライズ (講談社文庫)

恋と嘘 映画ノベライズ (講談社文庫)

  • 作者: 有沢 ゆう希
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 文庫




(関連記事)
【ワイン一年生/小久保尊、山田コロ/15年12月初版】
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nice!(18)  コメント(4) 
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コメント 4

song4u

おはようございます。
モノの値段って、本当に面白いと思います。
嗜好の度合いが大きく影響する対象であればあるほど、
ほんのちょっと違いが桁違いの差になって表れる。
実に面白い現象ですよね。

一方、直接的に嗜好とは関係なく、近接した対象物との
比較で決まって行くモノの値段も面白いです。
「あれが100円なら、これは200円だよな」・・って感じね。
人間の欲と思惑が値段の決定を支配します。
ギャンブルのオッズの決まり方も、これとよく似てます。

昔、オッズの表示がなかった頃は、更に面白かった。
オッズをみんなが予想しながら買ってました。
「1-3なら500円ぐらい、裏目なら3倍はつくね」・・みたいな。
これは選挙結果にも似たところがありました。
だから思わぬ配当になることも結構あったりしました。
オッズが表示されるようになってからは、抜け目の高配当は
グッと減って面白味は半減しましたけどね。

あれ、何の話だったっけ?(笑)
ではまた!
by song4u (2017-09-14 08:57) 

don

song4uさん、こんにちは~
ほお~、むかしはオッズの表示が無かったんですか。
それは知りませんでした。

80年代にはじめて馬券買ったとき、
むかしは馬連がなかったですが、オッズは出てました。
単勝とかだとオグリキャップなんか、2倍行かなかった。

さいきんはぜんぜん競馬はしません。
宝くじは、あいかわらずずっと買ってますが(笑)
[__犬]
by don (2017-09-14 12:31) 

みき

>日本製の皮

せめて革と皮の区別はつけてくださいね
by みき (2017-09-15 13:39) 

don

みきさん、
ご教示ありがとうございました。
皮と革の違い、よく知りませんでした。
皮は動物の原皮、革はなめした加工後のモノ。
指摘されて、今回まじまじと理解できました。

日本製の皮⇒北米産の原皮を日本でなめした日本製の革、
という事なのだと思います。

しかし革製品は90年代に比べて高くなりましたよね。
リーガルのプレントゥも1万2千円が2万4千円になったし、
ショットのライダースも90年代は3万円が今や8万円。
なんでこんなに高くなったのか。単純な需給なんでしょうかね。
[__犬]
by don (2017-09-15 22:17) 

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