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中国はいつ崩壊するのか?ドル基軸通貨はいつ終わるのか? [本/Biz経済]


米国が仕掛けるドルの終わり

米国が仕掛けるドルの終わり

  • 作者: 吉田 繁治
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: 単行本


【米国が仕掛けるドルの終わり/吉田繁治/17年8月初版】


世界中、借金がすごいじゃないですか。いったいどうなるんでしょう。
悲惨な欧州、ドル基軸通貨の終焉、中国不動産バブル崩壊、日本の政府負債・・

いつもながら、吉田繁治の分析と予想は素晴らしいです。

リーマン危機のあと、米欧中日の中央銀行は1980兆円のマネー増発を行いました。
希薄化したジャブジャブマネーは、今後どんな問題をおこして、どうなるかという予想。
ドル、ユーロ、円、人民元は、それぞれ異なる課題を抱えています。

以下に結論的な部分の要約を。
そこに至る理論は本書を読んでみてください。


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米ドルはどうなるか?


米国の対外債務は32兆ドル(3520兆円)。対外債務は毎年1兆ドル増える。
トランプ減税が行われれば2兆ドルになる。

ただし米国の債務はドル建て。
このためドルの信用が臨界点まで来ると、プラザ合意みたいにドルを2分の1に切り下げる。




ユーロはどうなるか?


南欧の国債と企業債務の問題が深刻。
ドイツとフランスの銀行は悪化した債権をもち、バッドローンになってる。
イタリアとスペインの主要銀行は債務超過状態。
ECBと各国政府から資金拠出が行われ、イタリアの国内3位銀行は国有化された。
銀行への公的資金投入は、問題の解決ではなく先送り。
銀行の利益が回復し、自己資本を増やすことができないと債務危機は解決しない。




日本の問題は何か?


16年末で1248兆円の政府債務をかかえている。
日銀は年80兆円の国債を買い増し続け、政府の負債を日銀の負債に置き換えている。
わが国の問題は、年率で約40兆円増える政府負債。
名目GDPが3%増加し続ければ、GDP比の債務は拡大しない。
しかしそうなると金利が3%に向かって上昇する。

金利が3%に上がると、発行時金利がゼロの10年債を持ってれば3%の損をする。
損をする国債は売られ、国債価格は下がる。
金利が3%に上がると国債価格は19%下がる(理論値)。

1000兆円の国債が19%下がるとその国債を持つ、銀行、生損保、ゆうちょ、かんぽ、
GRIF、日銀には190兆円の巨大損失が生じる。さらに政府の利払いも5兆円ずつ増える。

日銀はこれをさけるため、金利を低く保つ「金融抑圧策」をとる。
しかしそれをおこなうと、金利を抑えられた円の海外流出が増えて円安になる。
このマネー流出のため、円安の中で日本の金利は上がっていく。

異次元緩和は本質的な対策の先延ばし。
本質策は増税と支出を減らすこと。ただし政権が財政支出を抑制できない。
年金、医療介護、公務員給料の削減は、政治的にほとんど無理。




中国の問題と今後の予想


中国都市部の住宅価格は世帯年収の20年分。
世帯所得の増加予想が現在の5%に修正されると、住宅価格は50%下がる必要がある。
住宅価格は10年後の予想年収の7倍付近が、利払いと返済ができる上限だから。
実際には2019年ごろ、中国の住宅価格はピークアウトする。

住宅価格が大きく下がると、リーマン危機のように、
それを貸付金の担保資産にしている銀行に、不良債権が生じる。
中国の世帯と企業への融資総額22.8兆ドル(2508兆円)のうち、
バッドローンは700~1000兆円になる可能性がある。

日本のバブル崩壊は200兆円、リーマンショックは1000兆円。
1000兆円となると中国の名目GDPの80%。リーマンよりはるかに深刻。

この金融危機は、価格下落が始まって2年後の2021年から起こる。
ほぼ100%の確率で、中国の不動産バブルは崩壊する。
この金融危機への対応は、人民銀行が元を増発して銀行に投入するしかない。

しかしほかの新興国と同様に、財政信用と国債信用の低かった中国は、
開放経済の1994年以来、元の発行準備資産を、
外貨(ドル65%、ユーロ30%)としている。

この仕組みでは外貨が増えないと、元の増加発行ができない。
中国の外貨保有は、経常収支の黒字から1年に24兆円しか増えない。
これが元の増加発行枠。金融危機の対策にはまるで足りない。

こうなることを想定していたのか、
ドルが下落していた2010年から中国政府と人民銀行は、
IMFに申告していないものを含めると、1年に1000トンの金(au)を集め続けている。

1944年のブレトンウッズ会議で、米ドルがポンドに代わる基軸通貨として認められたとき、
FRBがもっていた金は2万トンだった。

いま中国のGDPは米国の60%。
1万3000トンの金と、3.4兆ドル(374兆円)の外貨を準備通貨にすれば、
元を「ドル+金本位制」の通貨にできる。
時期も元増発が必要になる2021年ごろと符合している。

この計画は発表されていない。
しかし周小川人民銀行総裁の論文から、その意志を持っていることが伺える。

その後中国は、「ドル+金本位制」への転換を機に、過去の元を2分の1に切り下げて、
新元を発行する可能性がある。旧2元は新1元としか交換できないとし、
これが過去の借金を2分の1にする徳政令。貯金も2分の1になるが。

この対策で政府、企業、世帯の負債27.9兆ドル(3069兆円)は、
新元に対して半分に減る。

このとき円やドルとの関係はどうなるか?
かつてドルとポンドは基軸通貨として併存していた。
同様に米ドルと人民元、二通貨へ依存の時代になる。

元はドル経済圏から離脱する。
中国と交易するアジアも、中国との貿易ではドルを使わなくなる。
これはドル需要の減少を意味し、ドルは約30%のドル安となる。
中国とアジアの貿易で、米ドルを使わなくなる国の貿易額が世界の30%くらいだから。

円はどうなるか。
ドルと合わせて実行レートは30%下落する。
ただし円とドルの間では変更がない。世界レベルではドルを買い続ける日本の円はドルと一体。
30%元の実行レートが上がると、中国のGDPは米国のGDPに対して80%になる。

中国が金準備に切り替えた数年後、米国はドル切り下げを行う。
このとき円はドルに対する30%の下落を解消する。

金融危機は以下の順番で来る。
①最初に中国の負債
②次に米国の対外負債
③3番目が日本の政府負債
④4番目がユーロの構造的な矛盾

今後、波動のように2年間隔で襲う世界の金融危機。
つまりフィアットマネーの有効性の危機に対して、価格が高騰するものがある。

それは人々がそれ自体に本源的に信用を寄せる無国籍通貨の「金au」。


以下にその他の読書メモを。


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FRB連邦準備銀行は何を準備してたのか?


FRBは連邦準備銀行として、米ドルの発行量と金利の調節をしている中央銀行。
連邦とは50州が連携して作った国家。準備銀行と今もいってる理由は、
金を準備資産にし、海外に流出したドルとの交換に備えていたから。
ドルはFRBを通じて、金と交換できることで、国際通貨としての信用を獲得した。




購買力平価のGDPでは中国が世界一位


生産される商品数量を示す購買力平価のGDPの順位(2016年)は以下。
1位中国  :21兆2917億ドル
2位米国  :18兆5691億ドル
3位インド :8兆5691億ドル
4位日本  :5兆2377億ドル
5位ドイツ :3兆9802億ドル
6位ロシア :3兆7997億ドル

19世紀と20世紀はGDP1位の国が基軸通貨国となっていた。
ドルは果たして例外となるのか。




ドルの切り下げは周期的


米国は2分の1のドル切り下げにより、1ドルも返済しなくても、
現在の8.1兆ドルの対外純債務はなくなり、15.8兆ドルの純債権国に転じる。
得をする米国とは逆に、損をするのはドル建て対外債権が多い国。
(日本、中国、ドイツ、スイス、産油国)
ドルが2分の1切り下げられれば、米国のドル建て債務が2分の1になるのと同じ。
デフォルトした通貨の資産を持つ諸外国は損をする。

米国は対外純債務を減らすという目的を明言することなく、
意図的に周期的にドルを切り下げてきた。

①1971年の金ドル交換停止(1978年までに2分の1)
②1985年のプラザ合意(1988年までに2分の1)
③1990年の利下げ5%(1995年までに2分の1)
④2009年の4兆ドル量的緩和(2011年までドル下落43%)




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