コレキヨの恋文/三橋貴明 [本]
<コレキヨの恋文/三橋貴明/12年4月初版>
おもしろいですよ♪いわゆる読み出したら止まらないノンストップ小説です。
泣きそうになった所も数箇所あったし、噴き出すところもあります。
なんてゆうか、ハリウッド映画みたいです。
著者の三橋氏(たぶんもう説明不要の人になってるでしょうけど)が、小学館の
編集者に、「三橋さん、もしドラみたいな本書いてくださいよ」と頼まれて書いた
本です。
「青天の霹靂で日本初の女性首相になってしまった霧島さくら子。稀代の財政家・
高橋是清に学び、経済政策を成長路線へと大転換。次々と大胆な政策を打ち出す…。
果たして日本は復活できるのか。泣いて笑って、日本と世界の経済の仕組みがストン
と分かる、人気エコノミストによる傑作小説。」
たぶん民意はこの本の中に詰まってます。多くの政治家に読んでもらって、主人公
みたいに日本を復活させてください。この本に書かれてるマクロ経済政策や、外交
政策を、そのまま実行すれば、かなりの確率で日本は再生できると思われます。
ちなみに主人公の女性のモデルは弔い選挙で衆議院議員になった小渕さんぽい。
麻生さんに頼まれて34歳独身で内閣総理大臣になります。さすがにこのへんは
名前を変えてます。
だけど鳩山、管、小沢、野田総理あたりは実名で悪行を書かれてます(笑)。
まぁほんとの事だからしょうがないか。
201X年ということですが、第97代総理大臣ということは、野田総理が95代
なので、1~2年先のイメージです(笑)
増税に走る官僚との対決、TPP、対中国の防衛問題(シーレーン)、円高、外国人
参政権、人権擁護法案etc、積み上がる難題を彼女はどのように解決していくのか。
エンターテーメント小説なので、ストーリーは伏せますが、彼女が手がけた2つの大きな
法案を記します。よく飲んだときに政治好きな同僚とウワウワ言ってる話なんですが、
公務員給料はGDP連動型にすべきで(ぼくらの業績連動型ボーナスといっしょ)、
日銀にはインフレ率、財務省&経産省にはGDP成長率の目標値を設定させて、達成
できなければ、減給やTOPに責任を取らせるべきであると。彼らは基本的に優秀なんで、
必死になって達成させてくるはずです。そういう方向に持っていこうとすると弊害になる
のが、以下の二つだと思います。
<日銀法再改正>
まず日銀法には大きな欠陥が2つある。
・日銀総裁の任命権は国会がもつが、その罷免権はこの世の誰ももたない。
・日銀はインフレ率の目標を日銀のみの判断で決定できる。
これを以下のように改正します。
・インフレ率の目標は政府が定め、日銀は独立した手段をもってその目標を達成する。
定められた期限内に達成できなかった場合、日銀総裁は説明責任をもつ。説明が不十分
な場合、国会は日銀総裁を罷免できる。
この「手段の独立」「総裁罷免権を政府がもつ」はグローバルスタンダードで、世界主要国
の中央銀行と同じにするだけ。
<歳入庁の設置>
財務省にだれも逆らえない元凶となっている、国税庁(=査察権、警察力)を切り離し、
厚労省傘下の日本年金機構など、社会保障関連の特殊法人と統合した「歳入庁」を、
内閣府の外局として設立するという法案。
そも徴税という行為は裁量範囲が広い。裁量をフル活用すると企業や政治家は確実に脱税
として処分されてしまう。予算配分で大きな影響力をもつ財務省が、国税庁の警察力まで
振りかざした日には、日本の政治家や国民は全く逆らえなくなる。財務省への極端な
権力集中が、20年にもおよぶデフレの長期化という形で顕在化したのは間違いない。
歳入庁設置にはマスコミがいっせいに反対します。財務省と大手紙は長年にわたり
癒着しているから。元財務官僚は、天下り先のひとつとして大手新聞社の取締役という
のが常態化してるそうです。かれらは一体化し、新聞社とテレビはクロスオーナー
シップ(新聞社がテレビ局を系列化すること)により同調します。ちなみに欧米は
クロスオーナーシップは禁止されています。メディアの相互チェック機能のために。
彼女と彼女のブレーンは、マスコミや野党などの抵抗勢力とどうやって戦いこの法案を
通していくのでしょうか?前時代的なシャーベット色のスーツを着た社民党党首の
総理!総理!とせまるアホ丸出しの質問には、思わずニヤリとします。
この本映画化を目指してるようです。コレキヨには著者と親交のある津川雅彦氏や、コレキヨ
に似てる西田敏行氏あたりが推されてます。ヒロインは30代半ばの美女ですね。だれが
いいのだろう^^麻生元総理の役はそのまま本人でいいじゃないかとの意見もあります(笑)
さいごに小説なので文体に関して。三橋氏の文章は経済本としては、非常に読みやすく、
わかりやすい文章を書くのですが、小説には風景描写が必要です。ストーリーを追うタイプ
の読み手は、そういう部分は読み飛ばすのでしょうけど、背景を目に浮かぶように流麗に
描写されると、小説の輪郭がはっきりして味わいが深まります。
そこの部分を執筆協力を頼んでいます。そういう意味では文章をひり出すような航跡が
感じられないので、小説家の書いたものと比べると軽い感じがします。が、補ってあまり
あるストーリーの面白さと知見が、読むものをノンストップの世界に引きずり込みます。
Time, flowing like a river
Time, beckoning me
Who knows when we shall meet again
If ever
But time
Keeps flowing like a river
To the sea
Goodbye my love,
Maybe for forever
時は川のように流れ
時はわたしをも招く
二人が再び会うことはないとおもう
時は川のように流れつづけ 海へ
さようなら大切な人 永遠に
(一部抜粋訳、don)
この本の内容とぴったりだったので。アランパーソンズプロジェクトでタイム♪
ロック史上最も有名なエンジニアですよね。ボブクリアマウンテンやグリンジョンズ
をも凌ぐくらい。ミュージックエアで「狂気」を1時間特集しててボケーっとみてると、
アランパーソンズのミキシング能力は凄まじいです。あの上下に動かすタイプの
ミキサーをサッサと動かすと、欲しい音がピタリ。神業でした。これは2004年の
ライブなんで81年当時のボーカルのエリックではないです。が、プロジェクトバンド、
さすがにうまいです。もうスタンダードですね
苦役列車 [本]
<苦役列車/西村賢太/11年1月初版>
前田敦子、森山未來で12年7月からロードショー予定の原作本です。
2011年の芥川賞受賞作で、中卒の芥川賞作家として、また受賞時のコメント、
「そろそろ風俗に行こうかなと思っていた」が話題を呼び、異例の売上げと
なりました。
ふだんあんまりフィクションは読まないのですが、ソネブロの映画ブログで珠玉
の記事を書かれてる青山実花さんが、西村賢太にハマッテおられるとのこと。
ふと興味をもち読んでみました。⇒http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/
ぼくは水戸黄門が好きな底の浅い人間で、主人公が不幸になっていくと、こちら
までドキドキしてきます。つい重ねてしまうんです。だからつらい本は読みたくない。
つらいことは現実だけでいいじゃないですか(笑)ちなみにこの本は全然つらくない。
だからじっくりと考えながら読むことができます。
ひさびさに聞いた日本のブルーズでした。読めば色々と思うことがあります。
文体は、著者が趣味としてる古本めぐりからか古色蒼然。目についたのは、
原因のことを、因と何度も書いてることです。因なんて仏語ですよねぇ。
よく司馬さんが、誰が→たれが、みたいなもので目につきます。
ついまねしちゃいそうです(ウフフ)。
著者がテレビでも公言してて、コンプレックスを見事に克服してるので書きますが、
性犯罪者の息子として中卒で労働に従事し、社会の底辺からものを見てるからこそ
書けることがあります。いったいたれがそんなことが、今の日本の文壇で書けるで
しょうか。「なんとなくクリスタル」の正反対にいる、地に足のついた偽善のない
青春小説です。
私小説ということで、作者に大いにかぶるところがあります。ひさびさに大笑い
した(最近笑ったことが少ない人は、ぜひ大笑いしてください)、以下の動画と
本で書いてることが同じなんです。いわゆるフュージョンです。動画で大笑いした
あとにこの本を読むと、そのフュージョン具合にニヤリとします。
主人公の北町貫多(著者は西村賢太)が飲む酒は40代でも宝焼酎です。あれは
4Lで2000円なんです。トリス4Lの2800円と双璧の、アルコール単価が
最安値ゾーンです。飲む酒からしてブルーズ臭がびんびんです。
そういえばブルーススプリングスティーンが、「キャデラックに乗ってたら、
ブルーズは歌えないよ」と、たしか80年代くらいに言ってましたが、その後の
スプリングティーンは別として(笑)、西村賢太はどうなるのでしょうか、
今後が楽しみです。
スプリングスティーンの歌では、心に沁みるハイウエイパトロールマンです。
粗暴な弟をなんとか更正させようとしていた兄が、たぶん殺人をおかしてしまった
弟を職務で国境まで追いかけます。兄はカナダの国境5マイルのところで、ハイウエイ
の横に車をよせ、 watched his tail-lights disappear する歌です。
われ敗れたり/米長邦雄 [本]
<われ敗れたり/米長邦雄/12年2月初版>
「この本は、私の将棋界への遺言書になるかもしれません。どうかこの本を、
友人、知人、将棋を知らない人へ勧めていただければ幸いです。」
2009年に前立腺癌をわずらった、68歳の将棋連盟会長の米長永世棋聖の1冊。
名人を含むタイトル獲得通算19期は歴代5位。2003年に引退。
12年1月14日の日本中が注目した戦い。ニコニコ動画では百万人以上が視聴した
コンピューター将棋との一戦です。負けて美しい、負けたからこそ読んでみたい本です。
米長棋聖は「もし許されるのであればもう一度・・」、次は対局料はゼロで、負ければ
罰金百万円払うという条件を谷川将棋連盟専務に申し出ているようです。
ここまでのコンピューターvs人間の戦いは、2007年のボナンザvs渡辺竜王、
これは渡辺竜王の辛勝です。つぎは2010年のあから2010vs清水女流王将。
これはあから2010が勝ちます。
この時点でのコンピューターvs人間は、将棋人口5百万人のうち、最高レベルの
コンピューターに勝てるのは、現役プロ棋士の160人程度とのことでしたが、
米長棋聖によると、今はその半分程度ではないかと。羽生本の過去記事です↓
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2011-02-06
今回のコンピューターは、コンピューター将棋世界選手権で優勝したボンクラーズ。
1秒間に1800万手を読むソフトだそうです。オープンにされたボナンザをベース
に開発され、2007年のボナンザより角一枚は強くなっているとのこと。
開発者は富士通の関連会社に勤務する技術者の伊藤さん。今回のコンピューターvs
米長永世棋聖との対戦を機に富士通本社の社員となり、富士通グループ全社でこの
棋戦をバックアップする体制を取ったとのこと。富士通も本気になり、世界最速の称号
を得たコンピューター「京」の投入も検討されたそうです^^
まず敵を知れということで、米長氏は市販ソフトで一番強いと言われている激指を
購入。早指しでは「え、こんなに強いの」というレベルだったと。
次に年に366日飲むという酒を断ち、ひたすら詰め将棋を解いた。さらに市販で
はないボンクラーズの簡易版(1秒間に170万手読む)を、自宅のパソコンを
高性能なものに新調し伊藤氏にセットしてもらい、ひたすら指した。
一手30秒の早指しなら全く勝てない、持ち時間3時間なら1勝2敗というレベル。現役の
プロを呼んでも、早指しでやらすとほとんどが勝てなかったそうです。
ここに至り、自分よりコンピューターのほうが強いことを認め、弱点を探します。
ボナンザの開発者、保木氏に会いアドバイスを求めます。
そこで生まれたのが、後手番初手6二玉です。王様を初手に飛車のほうへ寄せる
一手です。人間相手だと悪手なのですが、コンピューターが持つすべての序盤データ
を無効化する一手だそうです。そんな定跡がないから。
優勢に進め大いに盛り上がった米長永世棋聖vsコンピューターですが、負けたから
こそ、次は人間側が真剣に挑みます。来年またニコニコ動画で人間vsコンピューター
の5対5の同時決戦を行うようです。まだ羽生や渡辺のようなタイトルホルダーは
出ないようですが、新鋭のプロ棋士がどこまでコンピューターに挑めるか、楽しみ
ができました。
ちなみにこの話を夕食時に息子にすると、「囲碁のコンピューターは弱くて、
人間がまだ圧倒的やで」とのこと。ひとつ子供に教えられうれしかったです。
その他に目に付いた部分は以下。
<先手の勝率>
実力が互角なら先手の勝率は52~53%。米長氏は先手を祈ったが後手となった。
<誰が前に座って指すか>
思考プロセスの可視化の飯田教授によると、米長の要求した相手なら勝率が30%
程度よくなるとのこと。米長の条件は以下
①将棋が強いこと
②対局時に真剣になること
③目障りにならなくて、私の気を散らさないこと
④私を尊敬してくれてること
<運>
米長は現役時代から、自分の運気が良くなる人としかつきあわなかった。
自分の運気を下げる人は、米長が負けたら喜ぶ人。
自分の運気を上げる人は、米長が勝てば喜ぶ人。
上記の④が一番大事で、それはイエスマンとは違い、自分を尊敬してくれてる人
とつきあうことが、自分の運気をもっとも高めてくれる。
<奥さんから言われたあなたは勝てません>
奥さんに勝てるかなと聞くと(将棋のことをほとんど知らない)、あなたは勝てません
という。理由を聞くと、全盛期のあなたとは決定的な違いがある。あなたにはいま、
若い愛人がいない。それでは勝負に勝てませんと。
The Beatles - I'm A Loser (take 3) です。こんなんあるんですねぇ。
Little River Band- Playing to Win (1984)次回は是非。
アマゾンでLRBのオリジナル(特に80年代)は日米共に高騰してます。
LPしかもってないのでCD購入したかったのに。イッツア需給ですねぇ。。
セクシィ仏教 [本]
<セクシィ仏教/愛川純子/12年2月初版>
むずかしいことは抜きで、仏教に親しみたい人にピッタリの一冊です。
説話集や経典から、強烈なエロスを放つエピソードを厳選し、ハイライト
シーンをわかりやすく解説します。
著者はおじさんかと思うと、76年の生まれの愛川純子さんという女性です。
まず仏教を簡単に。▲500年くらいに釈迦がはじめた仏教は、釈迦の死後
その教えを膨大な数の経典にまとめます。もちろんファンタジー化していきます。
仏教の系統は大きく2つに分かれます。小乗仏教と大乗仏教です。小乗は出家
して、厳しい修行のなかで自分が悟ることを目指すもの。大乗のほうは大衆を
救うことを目指すものです。小乗はミャンマーやタイ方面へ、大乗が北ルート
で日本にやってきます。(釈迦の教えはもちろん小乗仏教のほう)
日本にやってきた大乗のほうは、世俗を救うのが目的なので、俗に混じります。
そのため戒律を破りやすくなるという側面があります。日本の仏教説話にエロが
多いのは、このことが影響しています。
538年に伝来した仏教は、奈良時代になると、天皇が任命する国家公務員となり
ます。現代の坊さんとは役割が違い、天下太平・国家安穏を祈祷することが仕事
です。衣食住を保証され、兵役の免除、刑法上の特権も与えられます。僧には
穢れを忌避する義務があり、もちろん死に携る行為も禁じられていました。
行動規則の1条には、殺人、姦淫、窃盗、妄言を犯せば、官僧の身分を剥奪されると
あります。これは仏教の戒に基づいています。この本は、4戒律のなかの性行為の
禁止にスポットあてています。時代が進むにつれて、ユルくなっていきます^^
平安時代:
ほとんどの僧は奔放に性を謳歌し、後白河院いわく「隠すは上人、せぬは仏」状態
だったようです。上人とは知徳をそなえた高僧のことです。
鎌倉時代:
女犯はいっそう激化します。「隠す上人なお少なく、せぬ仏いよいよ稀なりけり」
法然と親鸞は革新的でした。法然は「女犯や肉食は極楽浄土行きの妨げにならない。
ひたすら念仏を唱えればいい」。弟子の親鸞はみずから妻を持ちました。浄土真宗
は、それから妻帯と肉食を公然と行います。
江戸時代:
寺が組織され、国に管理され、行政機関という機能をもつようになります。檀家制度も
はじまり(戸籍事務も行う役所みたいなもの)、幕府は秩序の乱れを防ぐために、僧の
女犯を厳しく取り締まります。人妻との姦通は斬首刑のさらし首という極刑だったよう
です。
明治時代:
1872年太政官布告によって「僧侶の肉食、妻帯、蓄髪は勝手たるべきこと」と
僧の妻帯が公然と認められました。これにより明治30年ごろにはすべての宗派で、
妻帯が一般化しました。
以下に目についた部分を。
<帝釈天と阿修羅>
仏教界のスーパースター阿修羅。昨日も興福寺のLEDライトアップで新聞の1面や
ニュー速でもスレッドがたってました。阿修羅と帝釈天のエンドレスの戦いは一人の
美女の取り合いからはじまったものです。
阿修羅族には4人の王がいて、その一人にシャシという絶世の美女といわれる娘が
いました。父王は阿修羅族のなかで一番強いラゴ阿修羅王に嫁がせるつもりです。
ラゴ阿修羅王はとても喜び、準備万端で輿入れの日を待ちます。一方その話を聞き
うらやましくなった帝釈天はシャシを誘拐し自分の妻にしました。
怒り狂ったラゴ阿修羅王は、帝釈天の住む須弥山の喜見城を攻めます。六陣のうち
五陣を落とし、残るは喜見城のみとなったとき、帝釈天を守る四天王が般若経を唱え
ました。すると輪法(車輪上の武器)が飛来しラゴ阿修羅王を切り倒したのです。
阿修羅はそれで死んだわけではなく、その後も戦いは何度も繰り返されます。
まさに戦争の陰に女あり。。
ちなみに帝釈天の前身は「千眼天」と言われるインドラ神。大酒飲みの女好きで
すぐに人の女に手を出します。ある仙人の妻に手を出したとき、怒った仙人に
体中に千個の女陰を刻まれます。いくら女好きでも体中に女性器が刻まれたら
恥ずかしくてたまりません。おおいに反省して修行すると、千個の女性器が千個
の眼に変わったのでした。
<如来、菩薩、天の定義>
如来:悟りを完成させた仏
菩薩:仏になろうと修行に励むもの
天:もとをたどるとインド神話の神々。おもに仏法を守護する役割をになう。
如来と菩薩は似た感じですが、装飾品が違います。耳飾、宝冠、首飾りなど身を
飾り立ててるのが菩薩。まったく身を飾らないのが如来です。悟りを得てるので
わが身を飾る必要がないのです。
<大般涅槃経/女の壺には底がない>
お経はサンスクリット語なので、なにを言ってるのかわかりませんが、たとえば
以下のようなことを言ってます。
「女性の情欲を満たすことはできない。ガンジス川の砂の数ほどの男と関係を
もっても彼女はまだ満足できない。この世のすべての人を男にして性関係を
もっても、まだ満足することができない。春になり樹木に花が咲き、蜂が蜜を
求めてくるが、それらは飽きずにやってくる。女性が男性を求めるのも、この
ように飽きることがない」
たぶんこのお経をつくったインド人は女性を畏怖していたのでしょう。現代の
科学では性欲曲線が解明されています。ちなみに40代の男性は、20代の女性
と同レベルの性欲です。35歳から45歳の間は同年齢の男女なら女性のほうが
性欲が高いので、たぶんこれを発端に考えられたお経なのかな^^
![20051110[1].jpg](/_images/blog/_459/donhenley/m_200511105B15D.jpg)
<天台宗・弘児聖教秘伝私/稚児とのセックス手引書>
寺は女のいない世界なので、ホモ行為が横行します。天台宗では、稚児を観音菩薩
の化身に見立てて、稚児と肉体をひとつにすることで、観音菩薩とつながると考えて
いました。いわば聖なる性交の儀式。作法が詳細に記された「弘稚児聖教秘伝私」
読むと嫌悪感がでてきますが、後学のため一部を記します。
「まず稚児は師僧の無明火(男根)を受け入れる準備として、紙をまいた指に
つばを塗って肛門に挿入し、ほぐし拭います。その際、指を1本から2本、2本から
3本と徐々に増やしていきます。~~師僧の無明火を握り、みしみしと、しなやかに、
たおやかに、しごきます。~~ことを終えると添い臥して少し語らい、そのあと
身なりを整えて退出します。稚児はくれぐれも僧の前で寝てはなりません」
<一休禅師の官能的な漢詩>
一休さんは、禅宗の一派である臨済宗の大本山・大徳寺の住職を務めるほどの高僧
だったのですが、市井に交じって酒を飲み、肉を食べ、遊郭にかよって女を抱き。。
そんな一休さんは漢詩の名手でした。「狂雲」と号してたくさんの詩を読んでるの
ですが、それがユーモラスで官能的なのです。
たくさんあるのですが、一部を口語訳で紹介します。
「如意庵に住んでわずか十日だが、落ち着かない。
女のことばかり考えて、下半身の赤い糸が爆発しそうだ。
今後もしわたしを訪ねてくれるなら、魚屋か居酒屋か、あるいは遊郭を探してくれ」
「美人とのセックス。愛欲の深い河から抜け出せない。楼子という老僧は酒屋の楼上
で歌う女の歌を聞いて悟りを開いたけれど、私は女を抱いて口づけするのが楽しい
から、火あぶりも八つ裂きも厭わない。悟りなんか無用さ」
ほかにも淫水は水仙の香りが漂うとか、性器接吻あり、手淫ありと、なんでもこい
の世界観ですが、そこは漢詩の名手。絵画のような情景が浮かびます。
一休さんの辞世の詩です。88歳の高僧は「死にとうない」といって恋人の膝で
亡くなりました。
「10年間、花のような森女と睦んで愛の誓いを通してきた。
無限につづくこの気持ち、死にとうない。美人の膝枕でただ思う。
夜が更けゆく。来世も共にと誓う」
仏教関連の過去記事です。悟りや空に関しては以下↓
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2010-12-04
葬式に関しては以下↓
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2010-06-02
グレンフライでセクシーガール。コミカルなPVが懐かしいです。
精神病棟40年 [本]
<精神病棟40年/時東一郎/12年2月初版>
リアル人間失格。著者の時東一郎(仮名)は16歳のときに統合失調症を
発生して、以来44年間精神病棟にいます。精神病棟にいても、つねに症状を
発生してるわけではなくて、まともな時とそうでないときが交互に訪れます。
ノンフィクションライターの織田淳太郎が、患者として入院した精神病院で
知り合い、この本が世に出ることになりました。織田氏の解説がところどころ
入りますが、ほとんどは著者の作品です。一生を精神病棟の中で過ごした著者
の自叙伝であり、貴重な記録だと思います。
みなさんは精神病院を訪問したことがありますでしょうか?見た目は普通の
病院なのですが、周りに人が少ない、窓に鉄格子がはめられている、少し
人里離れている、などの特異性があります。
ぼくは10年以上前に知り合いが入院し、数回見舞いにいきました。
あまりよい話ではないので、多くは述べませんが、そのときなぜその人は、
精神病院に入らなければならなかったか、真剣に考えました。
精神疾患の境目はどこか、あなたは狂人だと言われる分け目は一体どこなのか?
図書館で関連の本を数冊読んで得た答は、妄想、幻覚(幻視、幻聴など)を
みるかどうかの一点でした。
たとえばうつ病と統合失調症(精神分裂症のこと)陰性の症状はほぼ同じですが、
そこに、被害妄想や幻視、幻聴などのどれかが加われば、精神疾患となり、
家族や周囲が見放せば精神病院行きとなります。
この本によると、著者はなんとか出れるように模範患者として振る舞い、病状も
安定していたそうですが、病院側の固定資産として扱われ、そのチャンスは40年
もの長きに渡ってなかったそうです。保護者の問題もあったのでしょうね。
<世界と日本の精神科病床>
現在世界が保有する精神科病床は約200万床といわれている。その中で日本は
35万床を保有。(入院者数は31万3千人)実に世界の6分の1である。
「日本だから精神異常者がとくに多い」という理屈は成り立つわけがなく、世界
的に見て異常な数字である。
なぜ日本だけが異常な数の病床を保有しているのか?主因は民間精神病院の経営
問題である。
日本の精神病院の9割は民間で占められている。経営問題の元凶には「精神科特例」
がある。精神科の医師数は他科の3分の1でよいとする特例で、そのかわり診療報酬
は他科の3分の1から3分の2にすぎない。
そのため病床を埋めるべく、民間精神病院の患者の抱え込みが始まった。経営維持の
ための入院者の「固定資産化」へのうねりである。
こんにち15万人から20万人いるとされる、「入院治療の必要のない」長期入院者
は、以上のような背景で量産されてきた。
p.s.この本の読後感はある意味爽やかです。保護者がいないと外に出れない著者は、
ルポライターの織田氏に連れられ、一生をかけて思っていた夢を達成します。
ぼくや、皆さんににとっては取るにたりないことです。それでも幽閉されてるもの
からすれば、一生をかけた願いだったのです。願いがかなってほんとに良かった。
幻覚系ソングといえば、ビートルズでLSDです。イントロはハープシコードでは
なくてオルガンに細工をした音、ポールが弾いてます。左奥でなる楽器はシタール
ではなくて、タンブーラです。ポールのベースラインがとても印象的です。






