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MAKERS―21世紀の産業革命が始まる/ クリス・アンダーソン [本/Biz経済]






MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

  • 作者: クリス・アンダーソン
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/10/23
  • メディア: 単行本


【MAKERS―21世紀の産業革命が始まる/ クリス・アンダーソン/12年10月初版】
3Dプリンターはご存知でしょうか。トップランナーのメーカーボット社のプリンタが20万円程度になったようですね。ふつうの家にあるカラープリンタは2Dでインクかトナーで紙の上に描きます。3Dは文字通り立体形状に樹脂や液状プラスチックなんかを噴霧して積み上げて作ったりします。
(参考サイト1:http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/15347
(参考サイト2:http://nyliberty.exblog.jp/19577080

CNC装置は500ドル(4万円)のようです。3Dプリンタが「足し算」方式でものを作る(層を積み上げていく)のに対して、塊から物を削り出す彫刻というか「引き算」方式です。

白紙の状態から3Dでものを描くのは難しいので、3Dスキャナがあります。今は仰々しい格好ですが、しばらくするとスマホでできるようになるそうです。ぼくらはコピーしたいものに携帯電話をかざすだけで、あとは指示に従いモノの周りをぐるっとまわり、印刷ボタンを押すだけで立体物のコピーが出来上がりです。

現状はまだ25年前のジョブズのマッキントッシュと同じです。高価で使いにくく、万人向けではありません。なにがキラーアプリになるのか見当もつきません。それでもこれは2Dのカラープリンタよりも短期間で、より安くなることだけは確かなようです。3Dプリンタは、家庭にある2Dプリンタとあらゆる基本的なテクノロジーが同じそうです。違うのは使用する液体と(インクではなく液状プラ)、高さを出すモーターだけです。

夕飯時にこの話をすると、高校生の息子二人とも知ってました。
長「20万円やろ」
僕「じゃあクラウドファンディングのキックスタータ(後述)知ってるか?」
長「メーカーボットのところに出とったから知っとる」
次「4Gamerで見た」

ぼくはこの本ではじめて知ったのですが、子供の頃から自分専用のパソコンを持ってるネット世代は、大人の思う以上に情報量がすごいです。

世界で最も影響力のある100人にも選ばれた、クリスアンダーソンの新作本は、ぼくにとっては知らないことがぎっしりつまった、とても面白い1冊でした。読むと誰でも簡単に起業家になれる気がします。実際にウェブの発達でハードルは低くなっています。巻末の付録には、CAD、3Dプリンタ、3Dスキャン、レーザーカッター、CNC、などのフリーソフトや推奨機器、やり方などの入門情報が書かれています。英語のサイトなんでしょうけど^^;そのとおりやれば、ニッチなロングテールのメイカーにあなたもなれるかも。やる気と、ニーズのあるアイデアさえあれば。

米国の初版が10月2日で日本語版初版が10月25日です。タイムラグもあまりありません。そういう意味では最新情報です。前作「フリー」以上の驚きがあると思います。
以下に読書メモを。


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<もの作りは国家の基本>
国力を維持しようと思えば、製造の拠点を持たなければならない。サービス経済は好調だといっても、製造業が消えれば国民全員が銀行員か、マクドナルドのアルバイトか、旅行会社の添乗員にならなければならない。マスコミはソフトウェアと情報産業ばかりに注目するが、そこから生まれる雇用は人口のほんの数%にすぎない。ビットの世界は刺激的だが、経済のほとんどはアトムでできている。



<未来の予測は誰にもできない>
コンピュータはむかし大学と企業と政府にしかなかった。これが家庭に入り込むとしたらどう使われるか?IBMからベル研究所まで、さまざまな企業が社内の精鋭を集めて、未来の家庭でどのようにコンピュータが使われるか議論した。出た結論は、レシピの管理だった。しかしアップルⅡとIBMのパソコン発売で、本物のパーソナルコンピュータが普及し始めると、次から次へとさまざまな用途が生まれた。それは大企業の精鋭が個人向けの用途を生み出したからではなく、人々が自分で用途を見つけたからだ。



<オープンイノベーション>
オープンイノベーションが強力なのは、ぼくらの周りにある「隠れたエネルギー」を利用しているからだ。いわゆる「知力の余剰」だ。「いちばん優秀なやつらは、たいていよそにいる」というビルジョイの法則は、「スカイプが隣の机」の時代になり、利用できるようになった。ジョイの言葉は、ハイエクの言葉を言い直したものだ。ハイエクは「知識は人々のあいだで不均質に分散している。組織は分散した知識に手を伸ばすことができない」と1945年に主張している。



<iphoneの価格>
2011年の調査ではiphoneの価格の半分以上がアメリカに留まっていることがわかった。部品の大半は中国で生産されるが、そのメリットをもっとも享受しているのは米国経済だ。アップルはデザイン、製品管理、マーケティング等の高給な職種を米国内に留めている。

中国の役割は一般の人が思うよりもはるかに小さい。その上ますます増加する物流コスト、関税などの政治リスク、それらに備えるための予備の在庫のコストを考えれば、製造業のアジアへの移転はピークに達したと考えていい。



<人件費コストについて>
現在、自動車産業における人件費の割合は、自動車総費用の15%に満たない。工場のオートメーションがさらに進めば、製品中の人件費の割合はさらに下がる。するとこれまでのような、海外移転による人件費削減の効果はなくなる。

著者の経営する会社の工場の賃金の違いは、サンディエゴ工場は月給2400ドル。製造委託してる中国の巨大製造企業(ipadなんかも製造してる)フォックスコンは月給400ドル。サンディエゴから車で20分のメキシコのティファナ工場は月給1200ドル。

しかしメキシコ工場と中国への委託では製造コストの1%、小売価格の0.5%の違いにしかならない。要はロボットが製造できる製品なら、人件費の安い場所に移動するメリットはしだいに失われていくし、ますますそうした製品は増えている。



<キックスターター>
企業家の新しい資金調達方法。銀行やベンチャーキャピタルとは違う。銀行は担保や利子が必要だし、ベンチャーキャピタルは会社の所有権を、それなりの割合で求めてくる。クラウドファンディングでウェブで人気のキックスタータは、資金援助といってもただの寄付ではなく、先行して商品を予約するような方式。キックスタータのルールは以下。

・期限を決める。資金調達に時間制限があることを参加者に知らせる。
・目標調達額を決める。(この金額が集まらなければ起業ができない)
・期限内に目標額に達しなければ、プロジェクトは流れる。
・寄付金の金額に応じて何段階かの異なる見返りを約束する。

資金提供者にはリスクもある。起業家が製品をつくる保証もないし、いいものとも限らない。基本的には慈善活動に寄付してるのと同じだ。

2012年5月までの3年で、キックスタータでは4万7000のプロジェクトがスタートし、その4割を超えるプロジェクトで1億7500万ドルの資金が寄せられた。その中の1万プロジェクト以上が目標額を達成し、6000万ドル起業家に渡されている。そのほとんどが、数千ドルの音楽、映画、そのほかのアート系プロジェクトだが、成功したもの作りプロジェクトも数百件にのぼる。

金銭的な部分以外でも起業家のメリットは大きい。市場調査に役立つ。もし目標額に到達しなければ、結局その起業は失敗する可能性が高いので、自己資金を失うリスクを避けれる。また衆目のもとで資金調達することで、さまざまなメディアの関心が集まり、それが無料のマーケティングになる。



<クァーキー>
2009年に設立された急成長しているプラットフォーム。アイデアを広く一般からウェブで募り、それを商品化する。大手ホームセンターにはクァーキー専用の陳列棚がある。仕組みは以下。

・だれでもアイデアを提案できるが、それには10ドルかかる。いたずらや冷やかしを 排除するため。
・コミュニティのメンバーは好きなアイデアに投票し、コメントを書き込む
・いちばん人気のアイデアは、次のデザインの段階に進む。発案者とクァーキーの社員 の両方がデザインを提出し、もっとも人気のあるデザインが選ばれる。
・さらに投票によって商品名、キャッチフレーズ、機能等のブランディングが決まる。
・クァーキーのエンジニアが、選ばれたデザインを製造に適した形に修正し、工場と協力して生産する。
・クァーキードットコム上の売上の3割と、小売店売上の1割はコミュニティに還元される。
・そのうち35%は発案者にいき、残りは改良に貢献したり、商品化されたデザインに投票した人たちに分配される。



<エッツィー>
2005年に開設されたサイトで1700万人の会員が利用してる。2011年は5億ドル相当の売買が行なわれた。ここではどんなものが売買されているのだろう。手作り品。それだけだ。

エッツィーでは、すべての出品物はなんらかの手作りでなければならないと定められている。工具を使うことはOKだ。売り手には作品ひとつにつき4ヶ月間出品するのに20セントの出品料と売上の3.5%が課金される。



<その他メモ>
・ツイッターとスクエアを成功させたマッケルビー&ドーシーのヒーロー伝(わくわくしました)
・レゴの武器(銃など)を製造し成功したチャップマンの逸話
 (レゴは社是で近代の武器をつくりません。だけど子供たちは戦争ごっこで必要です)

[るんるん][るんるん][るんるん]

今回の楽曲オチは著者の作品です。クリスは82年にREMでベースを担当してました。レコードデビュー前に、プロデューサーが言います。ジョージアに同じ名前のバンドがいる。

物好きなライブハウスのオーナーがライブバトルを提案し、バンド名をかけて対決します。
参考サイト:http://www.longtail.com/the_long_tail/2006/07/my_new_wave_hai.html
結果、負けた彼らは現在のREMに「エゴスラビア」と改名させられたようです。
I think the first song they played was Radio Free Europe. The crowd went silent,
mouths hung agape, and when the last chord was struck, the room exploded. Crap.

REM覚えてますか?当時アズテックカメラの隣にLPが並べられてました。カレッジチャート1位のREM。へ~アメリカにはカレッジチャートっていうのがあるんだ。なんかよくわからないけどスゴイな~と思ってました。個人的にはアズテックカメラのほうが好きでしたが。

EgoslaviaでLost Song♪クリスはかっこいいベースラインを弾いてます。悪くないです。いまはツルッといってるクリスですが、当時はフロックオブシーガルズのようなニューウェーブな髪型です^^




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hanamura

先日、三菱航空機株式会社社長の講演会にいきました。
「MRJ」http://www.mrj-japan.com/j/の自慢話でしたがぁ・・・
御陰でMAKERSの内用がMRJに置き換えて、よく分かりました。
(キンドルいっちゃいました!いつ手元に届くのかは不明)

by hanamura (2012-12-08 13:18) 

heroherosr

3Dプリンタなんて何に使うんだと思いますが、近い将来には普通に家庭にあるようになるんでしょうね。
by heroherosr (2012-12-08 16:49) 

rtfk

こんばんは^^)
日本人は基本的にものづくりが性に合っているのではと思います
島国ですから交易で入手してもその次は
何から何まで自分たちで作るしか無かった
採ってくる狩猟よりも 蒔き育てる農耕の人口が多かった
そんな民族ですから^^)
しかしアイデアは米国には勝てませんね~☆
彼らの独創的前進的な発想は新大陸を
目指したフロンティア・スピリッツがそのルーツのように感じます(^^)

by rtfk (2012-12-08 19:48) 

seawind335

そう言えば、先日のTV番組で「輸送コスト、品質、模造品リスク等を勘案すると、国内のコストとほぼ同じ」といって、米国内に工場を戻したメーカーがありましたね。
by seawind335 (2012-12-09 00:31) 

DEBDYLAN

REMは『GREEN』のツアーで来日したときに観ました♪
コノ本面白そう!!
読んでみたいっす^^。

”Made in The U.S.A.”大好きオジサンだけど、
最近は”Made in Japan”も盛り上げたいなと思ってます。

by DEBDYLAN (2012-12-09 00:42) 

don

hanamura さんこんにちは!
とても興味深い講演ですね。民間需要を今後どう取り込むのか。
キンドルいきましたか。届くのが楽しみですね[__犬]
by don (2012-12-09 14:51) 

don

heroherosr さんこんにちは!
ほんと何に使うのでしょうね。子供のおもちゃが自分で
作れるようになるのは確かです。手作りおもちゃ。

プラスチックのおもちゃメーカーは戦々恐々でしょう。[__犬]
by don (2012-12-09 14:54) 

don

rtfk さんこんにちは!
ほんとに米国の独創性や合理性はすごいです。
英語を話す人口が多いというのも、有利な点だと思います。

最近日本は取り残されてるような気がするので、なんとか
復活していきたいですね[__犬]
by don (2012-12-09 15:03) 

don

seawind335 さんこんにちは!
労働集約産業以外は、コストメリットの観点からいうと
戻す時期なのでしょう。そこの市場を狙うなら別ですが。[__犬]
by don (2012-12-09 15:05) 

don

DEBDYLAN さんこんにちは!
REMのコンサートに行かれましたか。いいですね。
そういえば去年解散したんですよね。

CD持ってないので、初期のアルバムをツタヤで借りて、
懐かしく聞こうかなと思っています[__犬]
by don (2012-12-09 15:12) 

銀狼

ホント、ネット社会の発達のおかげで
学生の息子達の方がモノを良く知っているって事ありますよね。
私なんて、息子から教えてもらう事もあるくらいで・・・^^;
人件費問題はチャイナリスク等を考えると、
各国ともそういう方向に向かっていくのでしょうかねぇ。。。
by 銀狼 (2012-12-09 18:37) 

mignon

3Dプリンターですか?
今の私にはどんな用途があるのかわかりません。
デザインの仕事でイラストレーターを使っていたのですがそれもクライアントからの要望だったからで、手書きのチカラのあるデザイン画のほうがよっぽど魅力的なのになあと思ってました。
3Dプリンター・・・・・・・この言葉しばらく頭から離れないみたいです。
by mignon (2012-12-09 23:45) 

川島

こんばんは^^
お父さんが色々詳しいから、息子さん達も物知りになるのでしょうね!
クァーキーってなにか面白そうですね♪
by 川島 (2012-12-10 18:02) 

don

銀狼さんこんばんは!
息子さん頼もしいかぎりですね。
中国、この本ではそういう流れと言ってますが、
マーケットとして魅力的なので、多くの企業は
残るでしょうね。[__犬]
by don (2012-12-11 21:03) 

don

mignon さんこんばんは!
3Dプリンタ。例えばガンダム好きが、プラモデルを作って、
それを、3Dプリンタで印刷すれば、ガンプラの出来上がりです。
いずれは塗装も、フルカラーとかなったりして。

エッツイーが日本でもあれば、手作り品が得意な人は、
個人で営業して、ブランドイメージが高まれば、大きな
展開もあるかもしれませんね、とくにファッションの分野は
あると思います。

時代はどんどん動いています。取り残されないようにしないと[__たらーっ]
by don (2012-12-11 21:09) 

don

川島さんこんばんは!
ありがとうございます。でもたいしたことありません。
酒飲んで、次の日には忘れてますから[__たらーっ]

クァーキーの面白いところは、商標やコピーを考える人も
お金がもらえるということです。そりゃー多くの人の
「知力の余剰」を活用してるので、ヒット商品連発は
約束されたようなものなのでしょう。[__犬]
by don (2012-12-11 21:13) 

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