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スナックちどり/よしもとばなな [本/文学芸術]


スナックちどり

スナックちどり

  • 作者: よしもと ばなな
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/09/27
  • メディア: 単行本


【スナックちどり/よしもとばなな/13年9月初版】
スナックが好きなので読んでみた本です。作者はよしもとばなな。この人の本を読むのは初めてかも。やっぱり小説家というのは、状態を言葉で表現するのがうまい。人物描写なんか、あぁこういう人物は、そういう表現で説明できるな、今度この表現を真似て、ある状態のことを説明してみよう。とか。小説を読むという事は、表現の幅が広がるということなのでしょう。

ところでスナックって絶滅しそうな雰囲気があります。かつてのスタンドはほぼ絶滅しました。昔は諸先輩が後輩を交際費で連れて行ってくれたりしましたが、交際費が絞られたり、僕らの世代がスナックにあまり通わなかったりで、社用以外でスナックに通ってる若い人は、少なくなったと思います。プライベートで歌うときはボックスに行きますしね。

若いころ20歳ほど年上の上司に連れて行かれたスナックやラウンジは、そんなに面白い物じゃなかった。だいたい先輩たちのお気に入りの女性は、ぼくらより年上だし同年代の女の子がいなかった。いたとしてもあんまりチャラチャラと話するのは上司への印象が良くないのではないかと考えたり。

結局自分が会計をコントロールできるようになってからは、行くのが楽しくなりました。店でも顔になるし、自分で差配できるのは楽しいです。そこに好みのかわいい子がいたりすると最高っす。だけどいい時代は長く続きません。経費削減やらポジションが変わったりとか。驕る平家は久しからず[もうやだ~(悲しい顔)]

今は会社近くに3000円セットのスナックがあるので、仲間内でカラオケボックス代わりによく通ってます。ボトルもジョニ赤が3000円。50代の歌好きのママさんが一人でやっています。1人3000円ぐらいの居酒屋で飲んで、みんなマイボトルを入れてるスナックに行って、1日6000円/人です。それぐらいなら小遣いの範囲で月に何度か通えます。

これが繁華街店だとセットが5~7000円になり、ボトルもジョニ赤が5000円以上と高くなる。小遣いで何度も通おうという気が失せます。こればっかりはきれいなお姉さんがいると、人件費が高くなったりするのでしょうがないのですが。


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スナック談義は横においといて、ストーリーです。アマゾンの紹介記事は以下。
『40歳を目前にして離婚した「私」は、幼なじみで従妹のちどりと偶然同時期にヨーロッパに滞在し、一緒にイギリスの西端の田舎町・ペンザンスに小旅行に出かけることになった。ちどりもまた、心に空洞を抱えていた。幼い頃に両親が離婚した後、親代わりに育ててくれた祖父母を相次いで亡くし、ひとりぼっちになってしまったのだ。さびれた海辺の町で、二人は昔話にふけり、互いの人生を振り返る。とりわけ思い出されるのは、ちどりの祖父母が経営していた、「スナックみどり」の光景だった。常連たちがまるで家族のように寛いだ時間を過ごし、またそれぞれの仕事に帰っていく。そこにはささやかだけれど、しっかりとした幸福感が満ちていた。そんな思い出を確かめ合いながら、二人は少しづつ寂しさを埋めていく。』

よしもとばななや村上春樹なんかの純文学系は、文体はライトなんですが重い部分があるんですよね。読者に考えさせる。愛別離苦とどう向き合うか。美しくないセックス描写を挿入して、人間は本能に翻弄される動物なんだと思い起こさせる。欲しいものが手に入らない感情をどう処理するか。好きじゃない人とどうやってさらっと距離を置くか。極めて仏教的なアプローチを、小説を通して具現化している。そう思います。ストーリーを単純に楽しむ大衆文学系とは、少し違った楽しみ方になります。



以下に気に入った部分を。

・夜の時間が、お酒の力でのびていくのがわかった。酔ってくると窓ガラスがきれいに見えるようになる。そして、このような集中の世界でしか考えられないことがたくさんあるのを私もまた知っていた。

・そのシステムを回しているエネルギーの質が私に合わなかっただけで、深く考えなければ、離れて眺めていれば、なんとすばらしい人だったのだろうと思う。

・スナックは、行き場をなくした人たちの心の最後のよりどころなんだよ。

・先の約束をひとつする度に、未来に小さな光がひとつ灯った。それを実感できるくらい弱っていた。このころずっと今日を泳ぐのでせいいっぱい、明日は溺れるかも、そんな感じだったことをこの町に来て私は悟った。



そうなんですよね。ちょっとしたイベントごとを、少し先にポツポツと入れておく。するとそれを楽しみに生きていける。それすらなくなると、人は息切れするのだと思います。

お互いにがんばっていきましょう~。


先を照らす光を見つけて♪
あなたは泳いでいく♪

Malene MortensenでThe Light Up Ahead♪ 
数年前にタワレコで衝動買いしたジャズボです。そういうことたまにありますよね^^北欧の歌姫とかで、けっこうエレキギターが目立つ作品でしたが、このmvは一人でたどたどしいピアノを弾いてます。



今もってカスタマーレビューがないCDを買ってしまったという^^;けっこうギターワークが軽快で、今でもよく聴いてます♪

アゴニー・アンド・エクスタシー

アゴニー・アンド・エクスタシー

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2009/08/26
  • メディア: CD





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コメント 15

mignon

>>先の約束をひとつする度に、未来に小さな光がひとつ灯った。

私もそう思います!!
いやあ皆同じなんですね。
こんなに細々と生きているのは私だけかと思ってました。

小さな楽しみがないと窒息しそうです。

ということで今週金曜日はちょっと奮発して高級ランチ楽しみます。
by mignon (2014-03-04 23:07) 

hanamura

従兄弟と示し合わせて、鎌倉と逗子で酒場歩き。(偶然同時期にヨーロッパに滞在は、あり得ないけど爆!)近況報告やら、酒、肴の話だけでも盛り上がり、そしてまた帰って行くのかなぁ。
by hanamura (2014-03-05 06:24) 

獏

今でもわずかに生き残っている
やる気があるのかないのか分からないような
スナックでの ユルい時間がけっこう好きです^^)

by 獏 (2014-03-05 06:48) 

song4u

スナック、減りましたよねー。
ぼくなんかが若かりし頃、スナックは主力でした。
メインはカウンター。ボックス席はエマージェンシーって感じ?
距離の近さが嬉しかったのかなあ?
カラオケがない時代のほうが良かった気がしますね、やっぱり。
by song4u (2014-03-06 21:15) 

don

mignonさんこんばんは~
明日は高級ランチですか~。いいですね!
増田屋とかならたらふく食べれそうです。もっといいとこか^^

そういえば図書館でミシュランの2014年版を借りてみました。
関西版が出たときに見て、こんな高い店いけるかぁ!とか思いましたが、
今はビブグルマンとかいう星とは別の概念で、5000円以下の名店
も紹介してます。神戸はイタリア料理が多かったような。

一度図書館で借りてみたら高級ランチの幅が広がるかも[__犬]


by don (2014-03-06 21:34) 

don

hanamura さんこんばんは~
鎌倉と伊豆の酒場歩き。なにやら風情があっていいですなぁ。
妙齢の美女と行くと、もっといいかも[__犬]
by don (2014-03-06 21:37) 

don

獏さんこんばんは~
スナック「あゆみ」とか「みちくさ」とか。
ゆる~い店は、それなりにくつろげます。
結局流行ってるのは、美人がいて安い店だったりしますが[__犬]
by don (2014-03-06 21:40) 

don

song4uさんこんばんは~
セットはカウンター5000円、ボックス7000円というのが
相場だったりします。ボックスちょっと高いんですよね^^;

みんなスナックで遊ばなくなりました。他に楽しいことが
いっぱいあるからかなぁ[__犬]
by don (2014-03-06 21:45) 

みかん

ばななさんの文体、けっこう好きです~。
>夜の時間が、お酒の力でのびていくのがわかった。
いいですね~^^  

スナックかぁ。 キレイなおねーさんがいて安い店。
寛げそうですね^^b  ちょっと先の楽しみをポツポツ入れて、
私もがんばろ~。 日本は楽しい場所がありすぎなような気もします。
いいような悪いような・・・^^; たははは。
by みかん (2014-03-07 00:03) 

みかん

たびたびすいま千円、

>極めて仏教的なアプローチを、小説を通して具現化している。

おおー。 donさんの説明で腑に落ちました。
春樹作品は、なぜ何度も読んでしまうのかね~って友人と
話していたんですが^^  
by みかん (2014-03-07 00:08) 

don

みかんさんこんにちワンワン[__犬]
キレイなお姉さん。見るだけですが^^

思うに自分がコントロールできるカネで、自分が主導権をもって
飲む分には楽しいですが、お呼ばれして末席に座るときは、
そんなに楽しいものではありません。結局集まってる人は
歌と酒が好きな人だと思います。

仏教的なアプローチ。なんとなくそう思うだけですが。
純文学系というのは、自分を深く掘り下げていくので、
結果そういう方向に向かうのだと思っています。




by don (2014-03-07 12:38) 

heroherosr

そうそう、女の子といいながら若いころの私にとっては「どこが女の子だよ」と思ったものでした。
それでも昔のスナックには若い女の子もいましたが、今はいないですね。
若い子はキャバクラとかに行っちゃうのでしょうか。
by heroherosr (2014-03-07 18:45) 

don

heroherosrさんこんにちは~
キャバクラ、若い子だらけですよ。
客も若い兄ちゃんが多いです。

料金もラウンジ並みに取られますが、
彼らはなんでこんなものに自腹でカネを払ってるのだろう・・・
といつも思ってしまいます。

まぁ来てる人は僕と違って、みんなお金持ちかもしれませんが[__犬]
by don (2014-03-08 11:45) 

川島

本当に昔はスナックが主流でしたね^^
よく飛び込みで入ってざっと見まわして雰囲気・容姿を素早く確認して、水準に達していない時は(笑)
店間違えたごめんといって次へと渡っておりました★
by 川島 (2014-03-10 16:31) 

don

川島さんこんばんは~
おお~、ツワモノですね。それができるのはかなりの手練れ、
歴戦の勇者だと思います。そうとうつぎ込まれてるのでは^^
by don (2014-03-11 20:27) 

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