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【申し訳ない、御社をつぶしたのは私です】書評と要約 [本/Biz経済]






申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

  • 作者: カレン・フェラン
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2014/03/26
  • メディア: 単行本


【申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。/カレン・フェラン/14年3月初版】
原題もそのまま「I'm Sorry I Broke Your Company」です。

ぼくが経営戦略の本を好んで読むのは、むかし悔しい思いをしたからです。細かいことは書きませんが、上司にボコボコにされました。

ボコボコに指導されながらこう思いました。ひとこと言い返したい。
「マイケルポーターですか?それはもう古いですよ^^」

上司に言われたのは、「あーでもない、こーでもないと考えるプロセスが大切なんだ」ということでした。そのときは理解できなかったけど、後になってなんとなく理解できた。この本読むと特によくわかります。

前に読んだヘンリーミンツバーグの「戦略サファリ」も、ポーターなんかの戦略をこき下ろしてくれて胸がスッとしましたが、いかんせん4000円もする専門書で、ちゃんと最後まで精読できなかった。

今回は訳者がいいのと一般向けということで、とても読みやすくストンと腑に落ちます。

プロセスが大切というのは、こういうことです。製品戦略は環境の変化で当たりません。しかし必死になって戦略を構築してると、頭が整理されて賢くなる。すると偶々やってきたビッグウェーブを捕まえることができる。準備をしてないものはチャンスに鈍感だけど、準備をしてるものは瞬時に的確な判断が出来る。

それからもうひとつ。知ったところで上には言い返したらダメです。
「なんでお前は、そんなに瞬時に結論を出すんだ。もっと考えろ」
「それに関する本を2冊読んでまして、その結論はこうなってます。だから瞬時に判断しました」

上はむっとします。知識はひけらかしたらダメです。本をたくさん読んで、言い返すことはできるようになったけど、あんまり得策ではありません。可愛げがない。いったん預かるという愚直さが大切です。

サラリーマンならみんな知ってることだけど、あえて書いてみました。

目次は以下です。
第1章 「戦略計画」は何の役にも立たない
第2章 「最適化プロセス」は机上の空論
第3章 「数値目標」が組織を振り回す
第4章 「業績管理システム」で士気はガタ落ち
第5章 「マネジメントモデル」なんていらない
第6章 「人材開発プログラム」には絶対に参加するな
第7章 「リーダーシップ開発」で食べている人たち
第8章 「ベストプラクティス」は“奇跡"のダイエット食品

下のフォトは正しい方法を見分ける「真偽判断表」。
クリックで拡大。本書を1pの表に要約しています。忙しい人はフォトだけでも。優れものです。
DSC_0364.JPG

以下に読書メモを。

<経営コンサルの流行>
外的要因に対応する「競争戦略」のあとには、内的能力にもとづく「コア・コンピタンス戦略」が登場。トップダウン型で進める「ブルーオーシャン戦略」のあとには、ボトムアップで市場に対応する「適応戦略」が登場した。

各戦略はその前の欠点を補うものではあるが、やがてその戦略自体の欠点が浮かびあがってくる。その結果ダイエットとリバウンドを繰り返すのと同じ悪循環に陥り、健康状態が悪化する。健康でいるためには、いろいろな食材をバランスよく適量とり、体をよく動かし、睡眠をたっぷりとる必要がある。痩せる秘訣は昔から誰でも知っている。つまり秘訣などないのだ。



<ポーターの競争の戦略とは>
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1980年、マイケルポーターの「競争の戦略」が出版されると、戦略コンサルタントの時代が幕を開けた。ベインやボストンコンサルなどの専門特化型のコンサルファームは60年代から存在したが、おもに資金管理を扱っていた。

「競争の戦略」によって、ポーターは企業人の頭に「競争優位性」という言葉を植え付け、有名な2つのモデルを提唱した。ひとつは「ファイブフォース;5つの競争要因」で、業界の競争をめぐる3つの内的要因(競合企業の競争、顧客の交渉力、サプライヤーの交渉力)と、2つの外的要因(新規参入の脅威、代替品の脅威)からなる。これは業界分析を行なうためのフレームワークであり、第1章で紹介されている。

第2章ではその次に有名な「ポーターの3つの基本戦略」、すなわちコストリーダー戦略、差別化戦略、集中戦略が示される。業界における自社の立ち位置によって3つの戦略のうちどれかを選び、競争優位性の確立を目指す。

あとの章は、競合分析、競合の反応予測、代替戦略決定のための業界構造分析などを扱っており、項目ごとに膨大な数のチェックリストがついている。みんな読むのに挫折する部分で、この本のうち「5つの競争要因」と「3つの基本戦略」だけが経営用語として定着したのは、おそらく挫折しないで第3章以降も読みきった人がほとんどいなかったからに違いない。



<コアコンピタンス経営とは>
ポーターの真逆の理論。企業は業界の将来を予測し、コアコンピタンス、すなわち他社にマネのできない自社の中核となる能力を開発することによって、業界の将来をみずから切り拓いていく必要があるということ。

たとえばキャノンは、精密機器、精密光学、etcなどの得意分野を生かし、カメラに始まった製品ラインを、コピー、ファックス、プリンターにまで広げ、各市場をリードするまでになった。

「コアコンピタンス経営」はさまざまな意味において、マイケルポーターとその「戦争のパラダイム」に対するアンチテーゼとして待ち望まれたものだった。

ポーターは、企業がどんな戦略をとるべきかは市場動向と業界によって決まると言ったが、ハメルとプラハード(コアコンピタンス経営の著者)は、企業自身の能力が戦略を決めるだけではなく、業界の将来をも決定すると言った。



<戦略策定の問題点>
戦略策定の実行における問題点は、今後の経済状況、業界の変化、競合他社の動向、顧客のニーズを予測できることが前提となっている点だ。そんなことがまともに出来る人間はいない。だからこそ金融の専門家はインデックスファンドへの投資を勧めるのだ。



<ジャストインタイム>
JITの原則のいくつかは適用可能だとしても、実際アメリカでJITを完璧に実施するのは無理だ。日本は小さな国だから、仕入先のサプライヤーとの距離もそれほど離れていない。原材料の調達に2週間もかかるアメリカで、たった1日や2日で在庫をぜんぶ回転させるなど、どう考えても無茶な話だ。

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<評価基準の弊害>
・従業員は評価基準に合わせようとする。評価基準を操作してしまうことすらある。
・指標スコアカードは自動車のダッシュボードと同じ。ダッシュボードだけ見て道路を見なければ、衝突してしまう。



<業績管理システムは逆効果>
評価基準や目標を使って社員を統率する方法は逆効果であることが証明されている。

多大な時間とカネを費やして、職務等級のレベル感を統一し、パフォーマンス基準や必要とされるコンピテンシーを設定し、評価スケールやボーナス目標や給与目標を取り決め、所定の書式とプロセスを設けて自動化し、必要事項を記入したら、それをもとに会議で全体のすり合わせを行なって社員を通常の分布曲線に当てはめ、評価スコアをめぐって議論し、評価スコアに応じて報酬を分配し、社員と面談を行なって各自の長所と短所について話し合い、総合評価と報酬を通知するという一連のプロセスは、社員のモチベーションにも会社の業績にも、有害な影響をもたらしている。



<グーグルによる優れたマネージャーの8つの習慣>
グーグルが独自の研究プロジェクトを立ち上げ、何千例もの業績考課やフィードバック調査を分析して独自のモデルを構築し、2011年3月に発表した。
①優れたコーチであること
②ある程度はチームのメンバーに任せ、細かく管理しないこと
③部下の成功と幸せを気にかけていることを態度で示すこと
④生産的で成果志向であること
⑤コミュニケーションをよく取り、チームの意見に耳を傾けること
⑥部下のキャリア開発を支援すること
⑦チームのための明確なビジョンと戦略を持っていること
⑧チームにアドバイスできる重要な技術的スキルを持っていること



<受けたくなる研修しか意味がない>
社員には研修の機会を与えるべきだが、「社内研修」「社外研修」「自分で自由にみつけてくる研修」という選択肢を用意する。社内研修では、すべての社員が身につけるべきスキルは5つぐらいまでに絞り込む。

コーチング、フィードバック、対立解消、などのコミュニケーションスキルは妥当だろう。ブレインストーミングや問題解決、クリエイティビティツールなどもよいだろう。新任マネージャー研修も必要である。それ以外では社員自身が興味のある研修や会議を自由に見つけて参加できるようにし、誰も聞いたことすらないようなことも学べるようにする。そして面白いことをを学んだら、それを社内で共有する。

著者がキャリアを振り返り、良い人間に、良いリーダーになるために役立ったことは何だろうと考えると、その多くは会社とは関係のないことだった。一番は子育て。親になってマネージャーとしてずっと成長したと。


シカゴでHard To Say I'm Sorry♪




Chicago 16

Chicago 16

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 1994/08/04
  • メディア: CD



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コメント 18

song4u

目次を読んだだけで、何だかニヤついてしまいますね。
ズラッと並ぶ、ぼくみたいな天の邪鬼がワケもなく喜ぶ単語の数々。
胸のつかえがスーッと消えて無くなりそうです。(笑)

>「なんでお前は、そんなに瞬時に結論を出すんだ。もっと考えろ」

その時は、たまたまジックリ考えて欲しいテーマだったんでしょうね。
いつも長い時間をかけて考えていれば上司はご満悦・・・なわけでもないと思います。
ツーと言えばカーの返事が欲しい時と、あれこれ考えてぐるりと一周、
可能な限りの遠回りをして結論をひねり出して欲しい時があると思います。
上司だって人間だから、理屈よりも気持ちが勝ってしまうこともある。
本当に可愛げが必要なのは、実は上司のほうかもしれません。

否。
部下も上司もありません。
もっと言うならば、男も女もありませんよね。
人間には笑って許せるような可愛げが必要なんじゃないか。
可愛げのない人間なんて、能力がいくらあったってつまらない。
ぼくは絶対にそう思うんだけどなあ。^^;

あ、いつものように、またまたテーマからズレてしまった。
笑って許して下さい♪
by song4u (2014-06-03 22:38) 

DEBDYLAN

まぁ、イロイロありますわ^^;
少なくとも僕は独立できるだけの才能がないんで。
会社員として働いてます。
その立場では会社の利益のために働くのは当然のコト。
(コレを社畜と考える方とは意見が合いません^^;)
(そう考える方は独立して王様になればよろしいかと思います^^;)

ただ。
そう考えて、それなりに真面目に働くコトが、
個人の幸せにも繋がってほしいっすよね。

ホント、上手く言えないけどそう思います。
自分の身の丈を考えたうえで。

by DEBDYLAN (2014-06-03 23:40) 

hanamura

図書館で「海賊とよばれた男」(上巻)の順番が、やっと回って来ました。やっぱり、おもしろい!下巻の順番が、60位・・・ああ、待ち遠しい。
by hanamura (2014-06-04 06:27) 

獏

こんにちは☆
痛快ですね(^w^)
以前から理論と現場は異なると密かに思っている
(口には出さない・・・汗)
獏は読んだらほくそ笑んでしまいそうですが
それを後輩部下に言うかというと・・・・どうでしょう???(@w@;)

by 獏 (2014-06-04 13:00) 

heroherosr

上司であろうとお客であろうと言い返しちゃうタイプなので、ひとりで仕事をしています。
by heroherosr (2014-06-04 17:50) 

matu8

企業にとって、養成するよりも、実際のコンサルティング会社に頼んだ方がメリットが大きい。船井総研はそうして常に安定した収益をあげてきた。これからも、この傾向が続くのだろうか。一般化してくれば、そう頼む必要もなくなるかもしれない。
by matu8 (2014-06-04 21:25) 

don

song4uさんこんばんは~
このときの上司は、あきらかにある分野を知らな過ぎました。
その人にとっては逡巡することかもしれませんが、こちらから
すると定跡でした。

底が見えちゃうとカッコワルイですよね。
自分も後輩からみてそう見えないようにしないと。

誰しも知らない分野はたくさんあるので、そんなときは
虚勢をはらないようにしたいです。[__犬]





by don (2014-06-04 21:44) 

don

DEBDYLANさんこんばんは~
たぶん面白いのは、独立して仕事してる人なんでしょう。
それはよくわかりますが、厳しいのも確かです。

ぼくもアイデアと覚悟がないので、サラリーマンしか
生きる道がないです。

サラリーマンという枠の中で、精一杯楽しみたいです。[__犬]
by don (2014-06-04 21:50) 

don

hanamura さんこんばんは~
面白ですよね。出光の話。

ぼくは村上海賊が90人待ちです^^
by don (2014-06-04 21:51) 

みかん

たしかに、本をたくさん読んでてもイマイチ説得力に欠ける人、
というのがいましたね~。 「いったんあずかるという愚直さ」、
私も実践したいと思います^^

仕事、とは関係ないですが、いま、こちらの奥様界(笑)で
ヒジョーに困った人がいます。 人間関係というのも「蓄積」、
だと思うので、、、  これまでメンドクサイことを自分から断って、
「納税」してこなかったくせに、最近になって「恩恵だけ受けよう♬」
という姿勢が見え見えで、その方、来て1年ぐらいなのですが
現在、村八分状態です(´・ω・)
by みかん (2014-06-04 22:29) 

don

獏さんこんばんは~
溜飲が下がります。

口には出せないのですが、だまって誰かの机の上に
置いておきたくなる衝動に^^
by don (2014-06-04 22:32) 

銀狼

この歳になっても、相変わらず一言多い私・・・^^;
でも、自分で起業なんて出来る器でもないため、
何とかサラリーマンとして這いつくばってやっております^^;
ただ、組織の中にいても自分で生きていく術を身につけておかないと
と、密かにコツコツ仕掛けてもおりますが^^;

by 銀狼 (2014-06-04 22:36) 

don

heroherosrさんこんにちは~
サムライですね。カッコイイです[__犬]
by don (2014-06-07 17:24) 

don

matu8さんこんにちは~
費用対効果で考えれば、そういう企業もあるでしょうね。
一般的には大手は自前(刺激や気づきで呼ぶ場合もあり)、
中小は全面的に頼ったりするのかもしれません。


by don (2014-06-07 17:28) 

don

みかんさんこんにちは~
奥様界、大変そうです。
ギブ&テイクですよね。やっぱり。

みかんさん優しそうだから、その人が寄ってきそう^^
そういう場合は、対応が難しいんですよね[__犬]
by don (2014-06-07 17:52) 

don

銀狼さんこんにちは~
ぼくと同じです^^;
>密かにコツコツ仕掛けて
すごいですね。ぼくはそれができてないので、
ずっと這いつくばってます[__犬]
by don (2014-06-07 17:56) 

川島

今回も勉強になります^^
家内は企業研修のカウンセラーなのでdonさんの記事が役に立つと思いメールで伝えました。
by 川島 (2014-06-10 16:56) 

don

川島さんこんばんは~

奥さん凄いですね。ぼくのしょーもない記事をメール頂き、
光栄の至りです。

それと少林寺拳法も凄いですね。ソニーの盛田さんも
60歳でスキー、65歳でWサーフィンをはじめたそうですが、
得意なことはやっても、新分野は腰が引けるものです。
僕も、いくつになってもチャレンジしたいです。

なかなか一歩踏み出せないですが[__犬]
by don (2014-06-10 17:48) 

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