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居酒屋の誕生~江戸時代、酒は格安だった [酒]


居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化 (ちくま学芸文庫)

居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 飯野 亮一
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: 文庫


【居酒屋の誕生~江戸の呑みだおれ文化/飯野亮一/14年8月初版】
大人のワンダーランド居酒屋。酒飲みにとってはディズニーランドよりワクワクする所です。美味い酒と珍味なものをちょこっと食って、いい店なら1人3000円前後で楽しめます。

こんな楽しいところは、いつからあったんだろう?と思ってましたが、そのものズバリの本を見つけました。著者が丹念に参考文献を読み解きまとめた、江戸の酒文化史。



「江戸に幕府が開かれると、新興都市江戸にはたくさんの人が集まってきた。その多くは男性で、江戸は男性都市としてスタートした。町には早くから酒を売る酒屋ができ、やがて煮物を売る煮物茶屋が現れた。酒屋や煮物茶屋では客に酒を飲ませていたが、それは本業ではなかった。それに対し、客に店で居酒をさせることを本業にする店が現れてきた。それが居酒屋である。江戸という特殊性を持った都市の中で、居酒屋は非常な発展を遂げ、今から200年前には、飲食店のなかで一番多い業種に成長していた。」



「1811年に行われた調査では、江戸の町には1808軒の居酒屋があった。業種別で居酒屋が一番多い。当時の江戸の人口は100万人と推定されているので、553人に1軒の割合で居酒屋が存在していたことになる。

今の東京にも居酒屋は多い。総務省統計局の2006年調査では、「酒場・ビアホール」は2万3206軒となっている。この「酒場・ビアホール」には「大衆酒場、焼鳥屋、おでん屋、もつ焼屋、ビアホール」が含まれているので、江戸の居酒屋に該当するものと考えられる。2006年の東京の人口は1266万人なので、546人に1軒の割合で「酒場・ビアホール」が存在している。200年前とほぼ同じ数字であることに驚かされる。」



すごい、著者の大発見じゃないですか。本書によると江戸の居酒屋は1750年前後に現れて、1815年ごろまでに著しい発展を遂げたと。1815年の江戸の飲食店番付には、料理屋、菓子屋、餅屋、蕎麦屋、すし屋など25業種、合計159軒の飲食店がランク付けされて、この中には6軒の居酒屋の名が見られると。1800軒以上の居酒屋の中から選ばれた6軒、どんな店なのか。行ってみたい・・・



なんで江戸で居酒屋が大発展したか。読んで感じた大きな理由は2つです。

ひとつ、男性都市のコンビニだった。八代将軍吉宗の時代1721年の調査によると、町方人口は男性32万3285人、女性17万8109人、男性が女性の2倍近い数字になっています。18世紀を通じて江戸町人の人口は男性が極端に多かった。当然独り者の男性も多かった。

さらに江戸の長屋の台所は不便で狭く、冷蔵庫もなく、インスタントなどの保存食品もない時代です。家ごとにカマドはついてましたが火をおこすのは大変でした。火打ち石で打ち出した火を火口に移し、付け木に移し、付け木を火種にし焚火に着火させる。独身男性にはとにかく面倒です。


もうひとつ、格安だった。文化7年1810年では、にごり酒1合が4文で飲めました。だいたい50円です(米1石150kgが1両、7万5000円として1文が13円換算)。

有名な豊島屋酒店は、1746年の時点で格安商売を始めてました。店を拡げて酒、田楽、豆腐を元値で売って、毎日空き樽20を小売しました。酒と料理を原価で売って、副産物である空き樽を販売してそのカネで儲ける。なんともはや凄まじい。現代の牛丼屋より凄いです。

江戸の行商人、中間、小者、馬士、籠かき、船頭、日雇いなどがどっと押し寄せた。当時の豊島屋の風景です。

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以下にその他の読書メモを。

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<江戸は呑み倒れの町>
19世紀前半、江戸市民は毎年90万樽超の酒を飲んでいた。90万樽として5万6700キロリットル。当時の江戸の人口100万人でわると、1人あたり1日155mlの酒を飲んでいた。

平成23年の東京では1人あたり1日255ml、全国平均は182ml。ただしビールが半分ほど占めているので、アルコール純分で比べれば、江戸市民は東京都民に劣らず酒を飲んでいた。

寛政7年の「軽口筆彦話」には、江戸の呑んだをれ、京の着だをれ、大阪はくひだをれといった三都の比較がみえる。

⇒今と同じだけ酒を飲むなんて、豊かですよねぇ。



<西洋人からみれば日本人は異常な飲み方>
1585年宣教師のルイスフロイスの「日欧文化比較」によれば、「西洋人は自分の欲する分を飲み、人からしつこくすすめられることもない。日本では非常にしつこくすすめ合うので、あるものは嘔吐し、あるものは酔っぱらう。」「西洋人は酒を飲んで前後不覚になるのは大きな恥辱であり、不名誉である。日本ではそれを誇りとして語り・・」

⇒この文化、連綿と引き継がれてますよね^^



<駕籠かき>
当初江戸市内では身分のあるものしか乗れなかった。次第に緩和され1703年の貸駕籠数調査によると、1273艇を数えた。2500人以上の駕籠かきがいたことになる。幕府は1713年に駕籠の数を制限する政策を打ち出し、300艇に限ってそれに焼印を押して渡し、そのほかの貸駕籠の営業を禁止した。

このため多くの者が生活に困り、無印の駕籠(今でいう白タク)で仕事をするものが増え、取り締まりにあって難儀していた。1726年に南北2人の町奉行が、無印駕籠の勝手次第を許可してよいか幕府に伺い書を提出。幕府はこれを承認した。当時の南町奉行の名は、大岡越前守忠助。これで誰もが気楽に駕籠に乗れる時代になった。

⇒さすが大岡越前。



<荷商人>
町方の労働者のうち、早くから多くいたのは荷商人と日傭取(日雇のこと。土木工事の人足、米屋の精米する人、荷物を運搬する人など)。

荷商人とは振売のことで棒手振ともいった。今でいう移動コンビニ。1659年には江戸北部だけでも5900人に達し、当初は振売札を公布し管理していたが、有名無実化し自由放任になった。

式亭三馬の「浮世風呂」には、食べ物関係だけでも以下のような振売が時間差で登場する。

午前中:納豆売り、金時売り、あさりハマグリのむき身売り、しょうゆのもろみ売り、漬物売り、南蛮漬け売り、青物売り、魚売り。

昼頃:あやめ団子売り、豆腐売り、かば焼き売り、白酒売り

午後2時:甘酒売り

夜間:大福もち売り、ゆで卵売り、おでん売り、汁粉売り、夜鷹蕎麦売り

⇒さすが江戸。結構便利な生活かも。

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<カン酒の歴史>
16世紀後半に清酒が生まれると、オールシーズン酒をカンして飲むようになった。ロドーリゲスの「日本教会史」には、「現在では1年中あらゆる時期を通じて、皆の者が熱い酒を一般的に用いる」と書かれている。ロドーリゲスが日本に滞在ししたのは1577~1610年。ルイスフロイス(在日1563~1597年)も、「われわれの間では葡萄酒を冷やす。日本では酒を飲むとき、ほとんど1年中いつもそれを温める」と日欧文化比較に書いている。

世界的にみて、日常的に酒をカンして飲むのは日本酒と紹興酒だけのようであるが、中国では紹興酒のカンは暑い時期は行われていない。江戸時代の日本では1年中酒をカンして飲んでいた。

⇒やっぱり冬場は熱燗が最高です。夏場はワイン飲んでますが^^



<ふぐ鉄砲>
ふぐは鉄砲の異名をとっていた。そのいわれは「物類称呼」安永4年に、「ふぐは、江戸にて異名を鉄砲と云う。その故はあたると、たちまち死すと云う意なり」とあり、ふぐを鉄砲と称することは元禄時代には始まっている。



<男性店員>
「酒はカン、肴は刺身、酌は髱(たぼ)」という言葉がある。ほどよいカンの酒で、刺身を肴に、美人の酌で酒が飲めれば最高、といった意味である。刺身は文化年間(1804年~18年)ころには居酒屋に登場していたが、美人の酌は無理だった。女性を同伴して居酒屋に行くことはあまりなかったようだし、居酒屋の店員は男性ばかりで、酒を運ぶサービスをするのは男性だった。

⇒時代が変わっても、最高の喜びというのは変わらないんですね^^



必死になって働いて♪
僅かなカネを手に楽しむ土曜の夜♪
もちろん美しい彼女と一緒さ♪
それが南部の喜び♪

あなたの喜びはなんですか?ぼくは気楽な仲間と飲む居酒屋のひと時か、家での晩酌タイムです。今回の歌はアラバマでデキシーランド・デライト(南部の喜び)♪1983年当時、アメリカのヒットチャートでは、ポリスの見つめていたい、マイケルジャクソンのビリージーンなんかが7週連続1位で大ヒットしてました。個人的にはアラバマの「南風」が1983年のベストアルバムで、なかでもこのデキシーランドデライトが一番の歌だと思ってます。

いい歌は30年以上たっても老若男女に歌い継がれます。ついこの前の映像ですが、熱狂は東京ドームのとんぼか、甲子園の六甲おろしのよう。さすがにアルバムセールス75百万枚の人気バンドです。(カントリー系なので日本ではほぼ無名)


アルバムバージョンで。



Closer You Get...

Closer You Get...

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Bmg/RCA
  • 発売日: 1988/05/17
  • メディア: CD



(関連記事)

【居酒屋の戦後史/橋本健二/15年12月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2016-04-16

【お盛んすぎる江戸の男と女/永井義男/12年10月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-12-15

【武士の家計簿/磯田道史/2003年初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2011-03-26

【吉原の落語/渡辺憲司/11年10月初版】+1冊
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2011-11-20

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コメント 12

hanamura

時代も場所も違いますが、単身赴任です。
毎日、居酒屋(焼き鳥屋)でもって、
酔っ払っています。
by hanamura (2015-01-24 16:52) 

seawind335

なるほど、居酒屋が江戸時代が産み出したものなのですね。
素晴らしい日本の文化です。
by seawind335 (2015-01-24 23:47) 

heroherosr

池波正太郎さんの本を読むと、江戸時代の居酒屋に行きたくなります。
男性店員ばかりなのは知りませんでした、ちょっとがっかり
by heroherosr (2015-01-25 16:50) 

獏

居酒屋大好きです☆
一人で行く時間も好きですが
気のおけない友人や仲間との酒は最高ですね^^)
綺麗どころと一緒だと緊張して楽しく酔えません(@w@;)
鉄砲と呼ぶとは・・・(@@;)
でもその恐怖感を超える美味しさなんでしょうか???

by 獏 (2015-01-25 18:56) 

みかん

donさん、こんばんは^^

これより出張者が来るので、オットは外食な日曜夜でして、
ひとりでワイン飲んでます(*‘ω‘ *) 私もdonさんと同じく、
好きな仲間と「あ~でもない こ~でもない」と飲む時間が
喜びですね(笑)。

江戸時代、荷商人の売り物だけでも、一人暮らしで
酒飲みだったら楽しい食生活が送れそうですね!
すごいです、江戸。

昨晩、ビートルズの公式カバーバンド「The Fab Four」の
ライブを観てきました! 
by みかん (2015-01-26 10:46) 

don

hanamuraさんこんにちは~
焼き鳥屋いいですよね。
焼き鳥大好きです。僕の財布にはちょっと高いので、
なじみの居酒屋ばかり通ってますが[__犬]
by don (2015-01-26 12:45) 

don

seawind335さんこんにちは~
パブより居酒屋の方がいいですよね。
外人も出張で来ると、炉端焼きが大好きだったりするし。[__犬]
by don (2015-01-26 12:46) 

don

heroherosrさんこんにちは~
吉原とかにはいるんでしょうけど、庶民的な居酒屋には
いないんでしょう。

食通の池波先生の作品読むと、たしかに居酒屋に
行きたくなりますよね[__犬]
by don (2015-01-26 12:48) 

don

獏さんこんにちは~
>綺麗どころと一緒だと緊張して楽しく酔えません
シャイなんですね^^
まあ男同士のほうが、気楽でいいかも。

ふぐは美味いですよね。下関でてっちり食べたとき、
こんな美味いものがあったのか、と思いました。
てっさもコリコリして美味だし。ふぐはやっぱりいいですよ。

ちなみに「てっ」は鉄砲から由来してます[__犬]
by don (2015-01-27 12:32) 

don

みかんさんこんにちは~
やっぱり駐在員はアテンドが大変ですねぇ。
日曜まで・・・

大学の頃、ビートルズのコピーバンドが演奏してるライブハウス
に行ったことがあります。そこで生まれてはじめてバーボン
飲みました。それまでオールドなんかのスコッチ?しか飲んで
なかったので、こんなに美味いものがあったのかと。
水割りでしたが。

中学以来ずっと赤盤青盤聴いてたので、すごく落ち着くというか、
癒されました。[__犬]
by don (2015-01-27 12:38) 

DEBDYLAN

居酒屋イイっすね!!
僕は客単価高い方かと^^;
なんたって飲み過ぎちゃうんでw

by DEBDYLAN (2015-01-29 23:42) 

don

DEBDYLANさんこんにちは~
昨日飲みすぎで、二日酔いっす。
昼はセブンのさるそば食べました。
400円から、330円に戻っててちょっとうれしかった^^

by don (2015-01-30 12:39) 

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