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定職をもたない息子への手紙/ロジャー・モーティマー [本/ルポ社会]






定職をもたない息子への手紙 (一般書)

定職をもたない息子への手紙 (一般書)

  • 作者: ロジャー モーティマー
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2015/02/09
  • メディア: 単行本


【定職をもたない息子への手紙/ロジャー・モーティマー/15年2月初版】
2012年イギリスのベストセラー。

「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」を思い出しました。
あちらは、立派なビジネスマン(経営者)の父親が、立派な息子へ出した私信です。
すごい良本で、名言もザクザクです。

こちらは読書メモになるようなものはなかった。
だけどすごくいいんですよねぇ。読んでると愛情が溢れている。
息子を案じて苦悩しながらも、ユーモアを忘れない。

1967年から1991年まで25年間、父親が息子へ出し続けた私信です。
父親はダメ息子を心配して、ずっと手紙を出し続けている。
どんなふうにダメかというと、名門イートン校を中退して、転々と職を変えている。
途中逮捕されたこともある。

非常に共感する部分が多いです。
順風満帆な子育てしてる人には、どうでもいいことかもしれないけど。

この本がベストセラーになったのは、子育てが思うようにならない人が多いからだと思う。
子どもたちは、大なり小なり親の思うようにならない。
ま、そりゃそうですよね。自分自身のことも思い通りにならないし^^;

「親元を離れて寮生活を送る息子に父が一通目の手紙を出したのは、
1967年となっている。そのとき父ロジャーは58歳。
まだ活力に溢れていた時期である。
しかしいつまでも親を安心させない息子への手紙は、
やがてみずからの老いの現実を受け入れ、しみじみした調子をおびていく。」

父、ロジャー・モーティマーは英国競馬の解説者です。
サンデータイムズでの競馬解説やBBCでのコメンテーター、
競馬ギャンブル会社のPR担当を務めました。

どんな手紙か、以下に少し紹介。

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名門イートン校を中退するときの両親の苦悩も興味深いですが、
ハイドパークで行われたストーンズのコンサート会場で、
ドラッグと折りたたみナイフ所持で逮捕され、ニュース紙の一面を飾った後の手紙は以下。

「私はどうにかなりそうだ。母さんもどうにかなりそうだ。
なぜ私たち家族ばかり、こんな目に遭わなくてはいけないのか。
どうか、どうか、少しでも将来どうしたいのか、そのためには何をすべきなのか、
ちゃんと考えてみて欲しい。

まずは、お前が後生大事にしているその自転車からなんとかしてはどうだろう。
そんなものを買うと知っていたら、私は40ポンドも渡さなかったぞ! 元気で」
※父の言う自転車とは、息子の溺愛してたホンダモンキーのこと。



父親の世話で陸軍士官学校に入ったものの5日で辞めてしまった後の手紙の一部は以下。

「~前略~お前と親子としていい関係を作ってくることができなかったのだと思うと、
私は本当に胸が痛い。母さんはまだお前が子供だったころから、
本当に深くお前を愛してくれていた。
だから苦労やショックや悩みごとにまみれたこの数年間で、
お前の想像を絶するほど深く傷ついてしまった。

その疲労と絶望とで、母さんは夢も希望も失ってしまうことになったのだ。
それもこれも、母さんがお前を心から大切に思っているからだよ。

~中略~お前がひとことも相談せずにモンス(士官学校)を辞めてしまったことには、
計り知れないほどに大きなショックを受けた。
あのとき言ったとおり、私とお前との関係も、もはやこれまでとすら思った。
~~どうか、その日暮らしをやめて、先のことを少しでも考えてほしい~~」



新しい仕事を1週間で辞めて、悪評の絶えない友人と南米旅行に行くことになったときの手紙。

「~前略~ベネズエラあたりで麻薬中毒になろうものなら、お先は真っ暗だ。
母さんはあのとおりものすごく神経質な人間だから、家族の問題で心労をかけ続ければ、
ただごとでは済まなくなってしまうのは、お前の歳になれば分かるだろう。
自分が母さんを苦しめようとしているのだと、肝に銘じておきなさい。
その結果、苦しみはお前ではなく、私にのしかかってくるんだよ。

~とにかく私は苦しくて、つらくて、不安でたまらない。言わずもがな、
母さんもお前の事でずっと頭を悩ませ、胸を痛めてばかりだ~~」



30歳の誕生日に息子へあてた手紙。

「失敗知らずの人生よりも、失敗のある人生のほうが価値のあるものだ。
理想に燃える人びととは、理想を持たぬ人びとと比べ、
同世代で成功している人びとを見て、嫉妬心を抱いたりして不幸なものだ。
~~
もしもう一度人生をやり直せるとしたら、
私は海からほど近い地方の大学で、歴史学部の学部長になる道を選ぶだろう。
そしてたっぷりの休暇を読書に費やし、大学があるときには、
サンダルばきとひげ面でやって来る、マルクス主義の学生たちをいじめて過ごすのだ。
~~
母さんはとても元気がなく、誰にでも、特に私に、当り散らしている。」

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あんまりブラックユーモアの部分を紹介してませんが、
イギリス人特有の、大阪風の自分を落とした笑いが満載です。
それとどんな困難な状況でも笑いに変えてしまっています。
典型的な中産階級のイギリス紳士だからでしょうか。



みなさんは、家族に手紙を書きますか?
手紙というか、我が家では家を出た2人の息子たちとLINEやメールをしています。
それと家を出る時には、それぞれA4で2枚ほどの手紙を書きました。
紙で渡して、同じものをGメールもした。

手紙の内容はここには書きませんが、大学時代に経験しておくべき事や、
読んでおくべき本、進む予定の研究室の就職先を一表にまとめて、
ROS、自己資本比率、売上等から狙い目の企業を薦めたり。
まだだいぶ先の話ですが、先にゴールのイメージを持っておいたほうがいいと思って^^;

もちろん人生は思い通りにならなくて、自ら切り開いていくものです。
だけど少しでも自分より幸せになって欲しくて、ついついねぇ。
いらぬことをしてしまった。オヤバカです[犬]



彼は父から英国式教育で育てられた♪
寄宿舎学校に入り♪
ベッドで父からの手紙を読む♪

ムチの感触と神への恐れは♪
少年を大人に育てる♪
少年は誰かのルールで生きる方法を学んでいく♪

やがて彼は仕事を得て♪
結婚し家を持ち♪
彼の息子に対して♪
父からされたのと同じ方法で教育する♪
それはチェーンのように繋がっていく♪

リックスプリングフィールドでLike Father Like Son♪ 
いつものように若干意訳気味ですが^^


関連図書:
【ビジネスマンの父より息子への30通の手紙/キングスレイウオード】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2010-04-24


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

  • 作者: G.キングスレイ ウォード
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/04/01
  • メディア: 文庫



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コメント 12

獏

donさん お早う御座います☆
子育て 母親には本能でできることだと思いますが
父親には遠大なテーマです
ある意味一度しか経験できないことだと思って
身が引き締まる でも気持は緩みっぱなし・・・(@@;)
そんな ゆるゆるな子育てだと 反省しています
獏妻が常識的な人間なので 躾けやマナー、エチケットなど
そっちは獏妻に任せてしまって(丸投げだと非難されてます)
獏は 時々傾奇くことも面白いし
後になって大切なことなんだと思い出すよと
伝えたいのですが まだ若いから理解できないでしょうねぇ。。。
すいません 長くなりました。。。
 

by 獏 (2015-04-29 07:12) 

青山実花

タイトルだけ見ると、
今の日本の現状を表しているように思えて
溜息が出るような気持ちになりましたが、
イギリスの本なのですね。

donさんの息子さんはお二人とも家を出られているのですね。
それだけでも子育て大成功ではないでしょうか^^

by 青山実花 (2015-04-29 14:09) 

heroherosr

子供がいないから分らないなあ、逆に親から手紙をもらったこともないですね。
by heroherosr (2015-04-29 15:43) 

扶侶夢

私の父は、母親よりも子育てが上手でした。そして人生の肝心なことに関しては私の場合、父親からの影響が多いように思えます。
そんな訳で母性とはまた別に、私は父性というものに学ぶべき必要性があるように感じています。
by 扶侶夢 (2015-04-29 19:29) 

song4u

donさん、こんばんは。
昭和天皇の誕生日である昭和の日、いかがお過ごしでしょうか?
「昭和の日」というネーミングにも、やや馴れて来ました。
当初は違和感でいっぱいだったですけどね。

例の防大の記事以来、「理づめに冷静に対処するdonさん」というイメージはある
ものの、「どことなくそうではないdonさん」のイメージも違和感なく共存しており、
本日の記事もまた、その延長線上に位置する物のように感じられました。
donさん、いい親してるなァ^^;

ぼくにも自慢の息子と大好きな娘(両人ともに自立済み)がいるのですが、
手紙はおろか、メールにしたってせいぜい1年に2,3回程度でしょうか。
ここ最近は、真面目な話をした記憶すらもありません。
彼らの人生は100%彼ら自身が切り開いたもので、ぼくは0.1%たりとも関与して
いないのではないか?・・・と思うぐらいです。
何ていい加減な親なんでしょうか、呆れますよね。
by song4u (2015-04-29 21:39) 

みかん

donさん、おはようございます。

日本のGWの恩恵?!で夫の帰宅が今週は早く、電話会議などに
煩わされず、平日に久々に一緒に夕飯を食べています☆

donさん、家を出るときに手紙やそんな役立つ資料まで!!
スゴイですね。 うちはそんなもの、父親からもらったことは
ありませぬ^^; うーむ。

ちなみに私は今回の帰省では両親に手紙とJTB旅行券を
プレゼントしました。 とても喜んでくれました^^
by みかん (2015-04-29 22:31) 

don

獏さんこんにちは~
迷いますよね。
これという正解はないのかもしれないし、
あるのかもしれない。
その答えを探そうとして、できるだけ等身大の子育て本を読んでみたり。

我が家もある時期まで丸投げで、盛大に非難されてました。
奥さん曰く、立派なお父さんは子供のサッカー教室やら
野球教室やらに絡んで、ずっと子育ての中心的役割を果たしていて、
そういう家の子どもたちは、大成するとか。

奥さんの言いたいことはわかるけど、できることとできないことがあって。

まぁ成るようにしかならないと[__犬]
by don (2015-04-29 22:33) 

don

青山実花 さんこんばんは~
なんとかニートにならず、家を出てくれました。
ありがたいことです。

ぼくが親からよく言われたことは、
「上みりゃほどなし、下みりゃほどなし」
贅沢を云わず、今を感謝すべきなのかなと[__犬]

by don (2015-04-29 22:36) 

don

heroherosrさんこんばんは~
ぼくらの時代だったら、親に手紙なんかもらったら、びっくりしますよね。
今はメールやら、ラインやらあるので、時代が変わったようで。
「おかんメール」とかいうヒットシリーズ本もありますし。[__犬]

by don (2015-04-29 22:40) 

don

扶侶夢さんこんばんは~
いいお父さんですね。
どこまで絡むのが正解なのか、よくわかってません。
絡み過ぎもよくないような気もしますし。
手探りです[__犬]
by don (2015-04-29 22:46) 

don

song4uさんこんばんは~
むかしの天皇誕生日。
学生時代に付き合っていた彼女の誕生日でした。
ちょっと前はみどりの日とか言ってたような気もしますが。

>ぼくは0.1%たりとも関与していないのではないか
そのほうが子供らにはいいような気がします。
振り返って、自分で切り開いた人生だと誇りが持てる。
つい先回りして、答えを用意すると、後々ためにならないような。

放置と絡み過ぎの中間、中庸なやり方がいいのかもしれませんが、
親としては、人間万事塞翁が馬、一喜一憂せずに
成長を見守りたいと思います[__犬]
by don (2015-04-29 22:55) 

don

みかんさんこんばんは~
そういえば、ブラームスのオリジナルCDをお父様から
もらわれた、とか言われてましたよね。
十分に素晴らしいお父様だと思いますよ。

手紙書かれましたか。手書きでしょうか。
今日会社で(出勤日だった)、新入社員の研修レポートに
手書きでコメントを書くという仕事をしてまして。
字が下手なので、たまらんかったです^^;
やっぱりパチパチ打ち込むほうが楽でいいです。

JTB旅行券かぁ。
どこか旅行に行きたいなぁ・・・[__犬]



by don (2015-04-29 23:02) 

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