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【羊飼いの暮らし/書評】世界有力8紙で年間ベストブック [本/ルポ社会]


羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

  • 作者: ジェイムズ リーバンクス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/01/24
  • メディア: 単行本


【羊飼いの暮らし /ジェイムズ・リーバンクス /17年1月初版】


ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー。
タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ガーディアンなど、
全8紙の年間ベスト・ブックスに選出。

2015年英国で出版。
著者のジェイムズ・リーバンクスは、イギリス湖水地方で600年以上牧畜をしてきた家系。
この地域はフェル(山)に羊を定住させる、世界でも珍しい古典的な牧畜方式。

著者は父と祖父の背中を追い、幼いころから農場で働き、
一人前の羊飼いになることだけを目指して成長した。

著者が暮らす共同体では、読書や勉強は恥ずべき行為。
男子が学校で勉強に励むのは無意味だとされる場所であった。

住人が外の世界に触れる機会も極めて少なく、
著者がはじめて外国料理(ピザ)を食べたのも、10代後半だった。

10代半ばで学校を中退し、実家の農場でフルタイムで働くが、父親と衝突。
彼が救いを求めたのは、本の世界だった。

そして彼は自分の可能性を試すために、オックスフォード大学への進学を目指す。


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人間て、こういうふうに生きるべきなんだろうな、と思わせてくれる本です。

<羊飼いの仕事の掟3カ条>

①自分自身ではなく、羊と土地のために働くこと。

②「常に勝つことはできない」と自覚すること。

③ただ黙々と働くこと。

現在の著者は、羊飼いの仕事をしながら、ユネスコの仕事を業務委託でやってるそうです。
各紙が年間ベストブックに選ぶだけあって他のどの本とも違う、内側からほとばしる真実の声。
自然と向き合い、身体を酷使した、本物の男の語る物語。

ふつうはそういう人は、健さんみたいに多くを語らないんだけど、
著者は特異な経歴から、自分の経験を語る機会に恵まれた。
希少な経験談なので、後世に残す資料としても価値がある。

サラリーマンだったら、上司の愚痴とか、ちっぽけな手柄話しかないけど。
ちょっとうらやましい経験です。


以下に読書メモを。


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オックスフォード大の1週間の流れ


1週間の基本的な流れ。
教授と1対1のチュートリアルが週に1コマか2コマ。
その2日前までに、前週の授業で提示されたテーマについてのエッセイを提出。
毎週の授業では、A4用紙1枚に20冊以上の本のタイトルが並ぶ、
課題図書のリーディングリストが渡される。

学生の仕事は課題図書や関連図書を読みあさり、内容を精査し、
たぐいまれな独創性と問題に対する明晰な分析力にあふれたエッセイを書くこと。

最初のリーディングリストを受けとったとき、教授にたずねた。
「1週間で20冊の本を読んで、さらにエッセイを書くことなんてどうやったらできるんですか」
すると教授は、「つべこべ言わずにやれ」

しばらくたって慣れてくると、指示通りにすべてきっちりやるか、
翌週に心理的体罰を受けないレベルで適当に済ませるかを自然と選択できるようになった。

最初の3週間、私のエッセイには上から2番目の「2-1」という成績がついていた。
なぜ最高評価でないか教授に尋ねると、悪くない出来であるが、
他の人の意見のコピーばかりで、自分らしさが足りないと。

それまで自分らしさが成績アップにつながるなんて、考えたこともなかった。
そこで点と線がつながった。

オックスフォードの教授陣の誰もが、完璧な学校出身の完璧な学生にうんざりしていた。
北部出身の変わり者という事実は、最大の強みとなった。

それが私を興味深い人間に変えてくれた。
完璧な人に勝つには、彼らに真似できないことをやるしかなかった。




オックスフォードの学生はどうするべきか


入学願書の職業欄には「湖水地方のフェルの空積み石垣職人」と記入していた。
大学生活のあいだ、教授から聞かれるのはだいたい同じ話ばかりだった。

「何年もフェルで働き続けたあとにオックスフォードで学ぶというのは、いかに大きな変化か」
ほかの学生の印象を教授に聞かれた。

みんな親切な人だったが、彼らはみな人と異なる意見をもつことが苦手だった。
挫折を経験したことがなく、常に注目され、いつも勝ち続けてきた人たちだった。
けれどそれは多くの人間の人生とは違う。

そこまで聞くと、「どうすれば解決できる?」と教授は言った。
「1年間、過酷な肉体労働をさせてみればいい」と私は答えた。
鶏肉加工工場、トラクターでの肥料まき・・




オックスフォードは休みが多かった


農場を離れ、別の人生を送って一番不思議だったのは、
すぐにたびたび帰省するようになったことだ。

大学生活には自由時間がたくさんあった。
3学期制のオックスフォードの各学期は8週間で、合わせて24週。
つまり1年の半分以上は帰省できる。

学期中でも週の半分を実家で過ごすことも珍しくなかった。
もちろんほかの学生たちと疎遠になり、新しい友だちをつくることは難しくなる。
だとしても私にはたいした問題ではなかった。



さまよう羊飼いは♪
もう彷徨ってない♪
悩み 心配 悲哀を捨てて♪


30年以上前に買ったLPから。数年前にCDで買い直しました。
アンリミテッド4000万曲にあった。これからみんなCD買わへんなるわ・・・
ダンフォーゲルバーグで、ワンダリング・シェパード♪



(関連記事)
【米国製エリートは本当にすごいのか?/佐々木紀彦/11年7月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2011-09-18

【料理でわかるヨーロッパ各国気質/片野優、須貝典子/16年9月初版】
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【亡国の農協改革/三橋貴明/15年9月初版】
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コメント 2

みかん

donさん、こんばんは^^

羊飼いのお話、人間ってそのようにシンプルに生きるべき、
なんだろうなーって思いますね☆

私は絶不調のまま師走が過ぎてゆきました(;^ω^)が、
6年ぶりの日本の年末年始、家族とのんびり過ごしたいと
思っていますー! どうぞ、よいお年をお迎えください
[__猫]
by みかん (2017-12-28 17:01) 

don

みかんさん、こんにちは~
あらら、絶不調なんですか。
まあしようがないです。みんなそんなもんです(笑)
若いころは未来が希望にあふれてますが、
人生折り返しをすぎると、何を楽しみに生きればいいのやら(笑)
[__犬]
by don (2017-12-30 12:10) 

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