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【ティール組織】要約と書評|ティール組織とは何か? [本/Biz経済]


ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

  • 作者: フレデリック・ラルー
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: 単行本


【ティール組織/フレデリック・ラルー/18年1月初版】


新しい組織スタイルが、誕生してるようです。
フラット型でもなくピラミッド型でもなく。
これがすごくいいらしいです。

600pの大著で、世界的なブームになっている本。
著者はマッキンゼーで組織変革プロジェクトやって独立した人。

人類の組織スタイルは、1万5千年前から以下のように進化してきました。
なんせ数十ページを数行にまとめるので、ようわからん人は本読んでください。

・神秘的パラダイム:古老や巫女に従う。
・衝動型組織(Red):マフィアなど。恐怖で組織をまとめる。
・順応型組織(Amber=琥珀):カトリック教会、軍隊、公立学校など。トップダウンのピラミッド。
・達成型組織(Orange):多国籍企業など多くの組織。目標達成のための経営。機械的。
・多元型組織(Green):文化と権限の委譲。フラット型。平等。家族的。サウスウエスト航空など。
・進化型組織(Teal=青緑):本書で紹介される新型組織。

現在の主流は達成型組織。
目標設定し未来を予測しイノベーションを起こすことで成果を上げようとする。
実力主義で万人に機会は開かれているが、階層が上に行くほど権限や情報が集中する。
効率や成果を追求するあまり人間らしさを無視してしまいやすい。
複雑化する世の中で、計画と予測は機能しない。

多元型組織は達成型組織のアンチテーゼ(否定)。
人生には成功か失敗か以上の意味があり、平等と多様性を重視し、
多様なステークホルダーを巻き込んで合意を形成して物事を進めようとする。
しかし極端な平等主義は多様な意見をまとめきれず袋小路にはまるリスクもある。

これらの問題を打開すべく生まれつつあるのが「進化型(=ティール)組織」だそうです。
トップダウンでもボトムアップでもない。
本書に取り上げられる組織運営方法はざまざまだが3つの特徴がある。

①自主経営
階層やコンセンサス(意見の一致)に頼ることなく、同僚との関係性のなかで動くシステム。

②全体性
だれもが本来の自分で職場に来ることができ、
同僚・組織・社会との一体感を持てるような風土や慣行がある。

③存在目的
組織自体が何のために存在し、将来どの方向に向かうのかを常に追求する。


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本書で詳細に調査されている「進化型(ティール)組織」は以下の会社です。
社名や従業員数などを以下に。

AES/エネルギー/米国/4万人
BSOオリジン/ITコンサル/オランダ/1万人
ビュートゾルフ/ヘルスケア/オランダ/7万人
ESBZ/学校/ドイツ/生徒数1500名と職員
FAVI/金属メーカー/フランス/500名
ハイリゲンフェルト/メンタルヘルス/ドイツ/600名
モーニングスター/食品加工/米国/2400名
パタゴニア/アパレル/米国/1350人
RHD/人事/米国/4000人
サウンズ・トゥルー/メディア/米国/90人
サン・ハイドローリックス/油圧部品/米国ほか/900人

「進化型組織」とは、一言でいえば「ホラクラシー」です。
役職なし、上司なし、管理なし。ホラクラシーをベースに各社ごとにアレンジしてる。

自主経営。権力がないので上司の顔色伺ったり、同僚を出し抜いたりしない。
仲間同士が助け合う。顧客に向き合う。満足感が高い。給料はみんなで均等に割る。
これまで上司がになっていた指導や問題解決は、外部機関に委託する。
こういう組織が、予想に反して、驚くべき成果を上げています(笑)。

経営陣もなく、定例ミーティングもなく、ミドルマネジメントもなく、社内官僚もいない。
だから資料作成や、いらない仕事を生み出さない。

なんていうか、つきつめると「信頼 vs 統制」です。

営業や購買はどうすんねん?
解雇とか採用とか人事はどうすんの?

いろんな疑問は、本書で当たってみてください。

以下にざっとした部分だけまとめときます。
ただ上記各社の、悩んでたどり着いた各々の事例を読まないと、血肉にならないです。
そこは指摘しておきます。

現在多くの組織で導入されている「達成型組織」と「進化型組織」の対比を以下に。


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組織構造


(達成型)
ピラミッド型の階層構造。

(進化型)
自主経営チーム。必要に応じてコーチがいくつかのチームを担当する。
コーチは収益責任を負わず、管理上の権限も持たない。




調整


(達成型)
すべての階層で行われる定められた会議で調整が行われる。
朝から晩まで会議になることが珍しくない。

(進化型)
経営チームによる会議はない。
必要が生じたときに調整が行われ会議が開かれる。




プロジェクト


(達成型)
複雑な状況を管理し、経営資源委優先順位をつけるための仕組み。
プロジェクトマネージャー、ガントチャート、計画、予算など。

(進化型)
簡素化されたプロジェクト管理。
プロジェクトマネージャーはおらず、プロジェクトに必要な人材は自分たちで集める。
計画や予算は最小限か、全くなく、自発的に優先順位付けがなされる。




スタッフ機能


(達成型)
人事、IT、購買、財務、管理、品質、安全、リスク管理など。
おびただしい数のスタッフ機能。

(進化型)
そうした機能の大半は各チームで、あるいは自発的なタスクフォースが担う。
ごく少数のスタッフ機能は助言のみを行う。




採用


(達成型)
人事の専門スタッフが採用面接を行い、職務記述書の中身が重視される。

(進化型)
将来一緒に働く社員とたちとの面談で、組織と組織の存在目的が重視される。




オンボーディング(新人研修)


(達成型)
大半が管理面に関するオンボーディングプロセス。

(進化型)
人間関係と組織文化に関する徹底的な研修。
組織に溶け込むためのローテーションプログラム。




教育研修


(達成型)
研修内容は人事部が設計。
仕事上のスキルや経営の訓練が大半。

(進化型)
研修は自由に自己責任で受ける。
社員全員が参加する組織文化構築の研修が極めて重要。




役職と職務内容


(達成型)
どの仕事にも役職があり、職務内容は決まっている。

(進化型)
役職はない。決まった職務内容の代わりに流動的で細かな役割が多数存在する。




個人の目的


(達成型)
社員個人の人生でなすべき使命を見つけ出す支援をすることは会社の役割ではない。

(進化型)
個人の使命と組織の目的の交差点を探るために、採用、教育、評価制度が用いられる。




業務時間の取り決め


(達成型)
ーーー

(進化型)
話し合いで決める。約束が守られている限り労働時間には高い柔軟性がある。




実績管理


(達成型)
個人のパフォーマンスに注目する。
評価は組織の管理職が決める。評価面談は実績を客観的な視点の断片だけで審査する。

(進化型)
チームのパフォーマンスに注目する。
個人の評価は同僚間の話し合いに基づいて決定される。
評価のための面談は、何を学んだか、使命は何か、1人1人と探索する。




報酬


(達成型)
管理職によって決定される。個人のインセンティブ。
実力主義で社員の給与には大きな差がつく。

(進化型)
基本給については、他の社員とのバランスを考えながら自分で決める。
賞与はないが全社員平等の利益分配がある。給与の差は狭い。




任命と昇進


(達成型)
少ない昇進機会をめぐる熾烈な争いが政治的駆け引きや秩序を乱す。
縄張り争い。1人1人のマネージャーが自分の城の王となる。

(進化型)
昇進はないが、同僚間の話し合いに基づく流動的な役割の再配分がある。
自分の権限外の問題について率直に意見表明する責任がある。




解雇


(達成型)
管理職が部下を解雇する権限を持っている。
解雇はほとんど法的、金銭的プロセス。

(進化型)
解雇は仲介者の入る紛争解決メカニズムの最終段階。実際には極めてまれ。
解雇を学習機会へと転換する思いやり支援。




意思決定


(達成型)
組織ピラミッドの上位でなされる。
意思決定が階層の上位から却下される可能性がある。

(進化型)
助言プロセスに基づき完全に分権化。




紛争


(達成型)
紛争はうやむやにされることが多く、紛争解決の仕組みはない。

(進化型)
紛争を明らかにし、対処するための時間は定められる。
複数の段階を踏む紛争解決の仕組みがある。
全員が紛争対処の訓練を受けている。
紛争は当事者と仲介者以外には知らされず、部外者は引きずり込まれないという文化。




情報フロー


(達成型)
情報は力であり、知る必要がある場合に開示される。
外部に対して秘密を守ることはあたりまえ。

(進化型)
会社の財務や報酬も含め、あらゆる情報はいつでも誰でも入手できる。
外部に対して透明で、部外者からの提案も歓迎される。




価値観


(達成型)
組織の価値観は、額に入って壁に飾られているだけのことが多い。

(進化型)
明確な価値観が基本ルールとして具体化され、働く人々にとって安全な環境を守ろうとする。
価値観と基本ルールについての議論を深めるためのルールや慣行がある。




戦略


(達成型)
戦略は組織のトップが決める。

(進化型)
戦略は自主経営マインドのある従業員の集団的な知性から自然発生的に現れる。



イノベーションと製品開発


(達成型)
顧客のニーズが商品やサービスを決める。必要に応じて顧客ニーズがつくられる。

(進化型)
何を提供するかは存在目的によって定まる。直感と美によって導かれる。




サプライヤー管理


(達成型)
サプライヤーは価格と品質で選ばれる。

(進化型)
サプライヤーは存在目的への適合度で選ばれる。




購買と投資


(達成型)
組織内の階層の応じた限度額。
投資予算はトップ経営陣から干渉される。

(進化型)
だれでもいくらでも使うことができる。ただし助言プロセスは尊重される。
チームの投資予算は同僚間の話し合いに基づいて決定される。




営業とマーケティング


(達成型)
営業部隊は目標とインセンティブでけん引される。
営業と工場は分断され、それぞれ現場作業員や営業マンが何をしてるか理解しにくい。

(進化型)
営業部門は解体。各チームごとに営業マンを分散配置。
営業目標はない。発注量が多いと作業チーム全員で喜ぶ。
営業部長から下りてくる目標より、自分のチームに仕事を与えるほうがモチベーションが高い。




プランニング、予算策定、管理


(達成型)
中期計画、年次予算、月次予算という厳しい周期。
計画への固執がルール。逸脱した場合は説明が必要。
足りない分は埋めなければならない。
従業員にやる気を出させるため野心的な目標。

(進化型)
感覚と反応に基づく。
予算や予実分析はまったくないか、極端に簡素化されている。
完璧な答えを探すのではなく、実用的な解決策と高速反復。
目標数値はない。




危機管理


(達成型)
少人数の顧問団が秘密裏に会合し、CEOがトップダウンで意思決定を補佐する。
社員への伝達は判断が下された時だけ。

(進化型)
関連する人であればだれでも集団的な知性に頼ってベストの反応を得ることができる。
助言プロセスを停止しないといけないときは、停止の範囲と期間が定められる。





いかがでしたでしょうか。
著者はまず組織の進化、歴史を分析した。
次に「色」で組織形態をフレームワークした。この色分けは「インテグラル理論」というもの。
そして世の中にある「進化型組織」のケーススタディ。これが本書のキモです。




ティール組織って音楽でフレームワークすると、
ジョンレノンのイマジン型組織です。3番の歌詞みたいな。



アンリミテッド会員は聴けます。プライム会員はどうだろう。

IMAGINE

IMAGINE

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI UK
  • 発売日: 2010/10/04
  • メディア: CD





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扶侶夢

2020~2025年の間で先進国のライフパラダイム・チェンジは劇的に起こりそうな気配で、その胎動は既に始まっている事がわかりました。アルビン・トフラー「パワーシフト」から早25年が過ぎましたから。
by 扶侶夢 (2018-05-12 21:06) 

don

扶侶夢さん、こんにちは~
時代が変わってきてますよね。
ネットの情報共有が加速させてるのでしょうか。
[__犬]
by don (2018-05-14 12:25) 

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