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【生涯投資家/村上世彰】書評と読書メモ [本/Biz経済]


生涯投資家

生涯投資家

  • 作者: 村上 世彰
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/06/21
  • メディア: 単行本


【生涯投資家/村上世彰/17年6月初版】


読むべき一冊。
両方の意見聞いてなかったんですよ。

村上ファンドと星野さん。
星野仙一が「いずれ天罰が下る」とか言っちゃって。
日本中の人が、そうなるべきだと思った。

会社でもたまにありますよね。
「山田ってサイテーっすよ」と鈴木君がいう。山田サイテーが世論になる。
後で山田君に話を聞く。すると鈴木君がサイテーだったりする。
鈴木サイテーがじわじわ判明したのは、人事措置後だったりする。。
出る杭は打たれる。目立った方が先に処分される。


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         尊王
    吉田松陰  |  坂本竜馬
攘夷-------------------------------開国
    近藤勇   |  勝海舟
         佐幕

たとえば佐幕攘夷派からしたら、尊王開国派なんか悪の化身です。




        株主
         | 村上・堀江
社会主義------------------------資本主義
    星野発言 | 
       公益(とくに従業員)

「日本は世界一成功した社会主義国家だ」とゴルバチョフはいいました。
みんなカローラ乗って、給食のおばちゃんも大学教授も年収がほぼ同じだった。
そういうものを破壊しようとするイデオロギーに、みんな恐怖したのでしょうか。

いまなら公益社会主義から、公益資本主義ぐらいにはマスがうつったかも。
すこしは村上さんの話を聞く耳が育ってきた。


目次は以下です。


はじめに――なぜ私は投資家になったか

第1章 何のための上場か
上場のメリットとデメリット/官僚として見た上場企業の姿/コーポレート・ガバナンスの研究/
ファンドの立ち上げへ――オリックス宮内義彦社長との出会い/日本初の敵対的TOBを仕掛ける/
シビアな海外の投資家たち

第2章 投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス
私は経営者に向かなかった/私の投資術――基本は「期待値」、IRR、リスク査定/
投資家と経営者との分離/優れた経営者とは/
コーポレート・ガバナンス――投資家が経営者を監督する仕組み/
累積投票制度を導入せよ――東芝の大きな過ち

第3章 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む
東京スタイルへの投資の始まり/十五分で終わった社長との面談/
激怒した伊藤雅俊ヨーカドー会長/決戦の株主総会/
なぜ株主代表訴訟を起こしたか/長い戦いの終わり

第4章 ニッポン放送とフジテレビ
フジサンケイグループのいびつな構造/ニッポン放送株式についてくる「フジテレビ株式」/
グループ各社の幹部たちの思惑/本格的にニッポン放送への投資に乗り出す/
生かされなかった私たちの提案/私が見たライブドア対フジテレビ/逮捕

第5章 阪神鉄道大再編計画
西武鉄道改革の夢――堤義明氏との対話/そして阪神鉄道へ/会社の将来を考えない役員たち/
阪神タイガース上場プラン――星野仙一氏発言の衝撃/またしても夢は潰えた

第6章 IT企業への投資――ベンチャーの経営者たち
ITバブルとその崩壊/光通信とクレイフィッシュ/USEN、サイバーエージェント、GMO/
楽天――三木谷浩史氏の積極的なM&A/ライブドア――既得権益に猛然と挑んだ堀江貴文氏

第7章 日本の問題点――投資家の視点から
ガバナンスの変遷――官主導から金融機関、そして投資家へ/日本の株式市場が陥った悪循環/
投資家と企業がWin‐Winの関係になるには/海外企業の事例――Appleとマイクロソフト

第8章 日本への提言
株式会社日本/コーポレート・ガバナンスの浸透に向けて/モデルケースとしての日本郵政/
もう一つの課題――非営利団体への資金循環/世界一の借金大国からの脱却

第9章 失意からの十年
NPO/東日本大震災について/日本における不動産投資/介護事業/飲食業/アジアにおける不動産事業/
失敗した投資の事例――中国のマイクロファイナンス、ギリシャ国債/フィンテックへの投資

おわりに


以下にその他の読書メモを。


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なぜ村上世彰は逮捕されたのか?


どんな容疑で逮捕され裁判で有罪になったか?
当時でさえ正確に理解していた人は少ないだろう。

ライブドアの堀江氏が村上にいった「ニッポン放送の株式を5%以上買いたい」、
という趣旨の言葉がインサイダー情報に該当するとされ、
その情報を元に株の取引を行って利益を上げたという容疑で逮捕された。

実現可能性がほとんどないような情報が「インサイダー情報」になるのか?
会社の内部から情報を得たわけでもない。それがインサイダー取引といのも違和感がある。

ファンドマネージャーだったので、自分自身も社員にも、
「インサイダー情報は絶対もらわないように」と十分すぎるほど注意を払っていた。
万が一相手が口を滑らせたら即座に取引をやめた。
ルールを守ることには、人の何倍も気を使った。

あの時の堀江氏の話は、ニッポン放送内部の未公開情報ではないし、
当時のライブドアの財務状況を考えれば実現には程遠かった。
いわば堀江氏の夢や願望に過ぎず、インサイダー情報に該当するとは思わなかった。
該当すると思ったらすぐに対応したはずだ。

じっさいにその後堀江氏が「外国人から株を買いたい」と具体的な依頼をしてきた時点で、
即座にニッポン放送株の取引を停止するよう社内に命じている。

裁判では「誰かがどこかの会社の株を5%以上買いたいと言うのを聞いたら、
実現可能性に関わらず、インサイダー情報と見なされるのか?」という点を争った。

5年かかって確定した判決は、
「公開買い付け等の実現を意図して、
公開買い付けやそれに向けた作業を会社の業務として行う決定がされれば足り、
公開買い付けの実現可能性があることが具体的に認められることは要しないと解するのが相当」
誰かが大量に株を買えば、対象企業の株価に影響が出る。
だからこうした情報も、インサイダー情報と同じ処罰の対象にすると。

遠い将来から振り返ってみたとき、村上氏だけに適用された判例になるかもしれない。

⇒日本中の阪神ファンを敵に回したのは、よくなかった。魔女狩りされますよそりゃ・・




ソフトバンクの現状を村上氏はどうみるか?


日本企業の悪弊である株式の持ち合いは、経営者の保身にすぎず、
お互いのバランスシート(BS)を膨らませているだけだ。
ROEにおいては配当分しか利益にならないので、百害あって一利なし。
企業が必要以上に内部留保を積み上げるのもよくない。

ソフトバンクのBSについて。
ソフトバンクは日本一の借金企業として知られる。
2016年度は以下。

------------------------------------------------------------------
総資産25兆円弱 ¥ 有利子負債15兆円
         ¥ その他負債 5兆円
         ¥ 自己資本  4.5兆円
------------------------------------------------------------------

当期利益1.5兆円
ROEは45%超。
ネット企業への投資IRRは40%を超える。
借入をはるかに上回るリターンを生んでいる。
2017年にかけて5千億円ほどの自己株取得を行い、株主価値の向上にも努めている。

現在は日銀がマイナス金利を導入してまで、積極的な貸し出しを促している。
しかし借り手のメインプレーヤーである企業は資金を貯め込み借入をしない。
資金循環を滞らせROEを低くしている。

一方でソフトバンクの有利子負債15兆円は2%の利率として3千億円の利子を生む。
しかし総資産25兆円の企業にとってはリスクになる金額ではないし、
この借入の元に事業投資を行い、その金利負担をはるかに超えるリターンを生みだしている。
あるべき経営の姿だ。




日本郵政はどうあるべきか


2015年日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険のグループ3社は東証一部に上場した。
日本郵政の下に100%子会社で非上場の日本郵便と、
同時上場を行った銀行と生保がぶら下がる。
日本郵政はゆうちょ銀行74%、かんぽ生命89%を保有している。
当面50%まで引き下げ、できるかぎり早期に手放す方針。

日本郵便は運営費を自ら確保できる状態になく、ゆうちょ銀行とかんぽ生命から受ける、
窓口業務などの業務委託費用が大きな収益源になっている。グループ3社は切っても切れない。

日本郵政グループは毎年4千億円を超える当期利益を生みだし、有利子負債はない。
しかし株価はPBRで0.4と低迷している。低迷の原因は、
「いつ売り出されるかわからない」という需給バランスが崩れるリスクによるところが大きい。

国は今後の売却ロードマップを提示すべきだ。
すると投資家は将来の予測を立てることができ、より積極的に投資を検討できる。

郵政をどうすべきか(村上氏私見)。
今後10年をかけて、国の持ち分80%のうち、3分の1程度を売り出し、
3分の1を郵政が自己株取得し、最終目標の3分の1まで下げていくべき。
そして取得した自己株は株価向上のため消却する。
自己株取得は毎年の利益で十分に可能。

さらにいうと国が放出する日本郵政の株式は、
できる限り多くを日本郵政の従業員が保有する形式が望ましい。
日本でもっとも多くの従業員を抱えるグループが、
インセンティブとして多くの自社株式を従業員が保有できれば、
今後の日本の報酬体系、コーポレートガバナンスのモデルケースになりうる。

日本郵政の配当利回りは3~4%ほど。
配当原資のほとんどはゆうちょ銀行の収益からきている。
ゆうちょ銀行のBSは総資産200兆円のうち、20%が日銀への預け金、30%が国債。
国債の金利は0.1%。

日経平均の平均配当利回りが2%を下回る中、日本郵政の高い利回りは、
もちろん株価が非常に低く推移していることが大きな要因。
配当利回りが運用利率上回っているのは、資産が巨大なため現時点では問題ではない。
とはいえもっと自由に事業を行える環境を早急に整えるべき。
ゆうちょ銀行のROEは3%。事業特性が似ている地銀より低い水準。
この原因はゆうちょの資産運用が内部規制で他銀行に比して自由度が低いこと。
過去に購入した国債の含み益があるうちに、事業構造を見直し、資本効率を上げていくべき。

日本郵便が行った巨額投資。
オーストラリアのトールという、国際物流ノウハウを持った企業を6300億円で買収。
これを減損一括計上するようだ。2017年5月現在減損は4000億円を超える。
これが確定すれば、日本郵政は上場後初の赤字決算となる。
東芝の事例と同じく、リスクの見極めが十分ではなかったのでは。
こんな短期間で巨額の損失を計上する投資は、投資家には賛成できない。





魔女はどれだけ高く飛ぶんだろう♪
魔女の目には 月が光ってる♪


イーグルスで、魔女のささやき♪
印象的なイントロのリフはバーニーレドン、作詞はドンヘンリー。

まずは73年ライブ。まだバーニーレドンがいます。





76年のヒューストンライブ。
バーニー脱退後、ギターはフェルダーとウォルシュが加わってます。
15才のとき、ドンヘンリーのまねして同じ白シャツ着てました(笑)。




イーグルス・ファースト

イーグルス・ファースト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2015/07/22
  • メディア: CD




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【私たちはどこまで資本主義に従うのか/ヘンリー・ミンツバーグ/15年12月初版】
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