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【ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた】永劫回帰とは? [本/宗教哲学]


ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。

  • 作者: 原田 まりる
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2016/09/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた/原田まりる】


このまえ京都に行きまして、阪急電車乗りました。
車内広告でこの本が紹介されてました。ふ~ん、なんか面白そうやな。

あれですよ、「もしドラ」みたいな本です。
女子高生の青春のひとコマ小説を読むと、教養が身につくという。

20年ぐらい前に「ソフィーの世界」っていう、少女に哲学者から哲学講義の手紙が届く、
っていうファンタジー小説が流行りましたが(世界で2300万部)、あんなかんじです。

ソフィーよりめっちゃ面白いです。
京都を舞台にしたラノベなので読みやすい。「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」みたい。

17歳の女子高生、児嶋アリサは青春の悩みをたくさん抱えていた。
恋、部活、家族との関係。悩みを吹っ切るために「縁切り神社」にお願いに行った。
悪縁を切って良縁を結ぶ。どうぞお願いしますと。

すると不思議なことが起こる。
ニーチェがタイムマシンに乗って過去からやって来たのだ。
ニーチェ本人が来るんじゃなくて、現世の気にいった誰かに短期間乗り移るという。
ニーチェがこいつならいいやと乗り移ったのは、スマホゲームを作ってるオタクっぽい男。

いろんな悩みに合わせて、過去の偉人たちがやってくる。
それをニーチェが紹介して、アリサの悩みを解決していく。

キルケゴールはファッション誌のカリスマモデル。
サルトルはガールズバーなど手広く経営する金持ち企業家。
ショーペンハウアーは、山小屋風喫茶店の頑固マスター。
ハイデガーは京都大学の教授。

みんなニーチェのことをリスペクトしてる。
ワーグナーだけは嫌なやつだったけど。女子高生の名前がコジマだとニヤニヤ笑う。
(ニーチェが好意を持ったワーグナーの奥さんの名前がコージマ)
ザロメって名前のほうが個人的にはよかったけど、そんな苗字ないしね^^

それぞれが児嶋アリサの悩みに合わせて、彼らの主だった思想を述べていく。

ものすごくわかりやすい。
たぶん20年ぐらい前まで、哲学の本はとても難しかったんですよ。
新書のかんたんそうな本読んでも難しい。絵本っぽいものを読んでも理解できない。
いまから思うと、本質をわかりやすく言語化してくれてなかった。

もしドラとか、白取春彦の「ニーチェの言葉」とか、
あのあたりからわかりやすい本が増えてきました。
雑誌不況で、優秀な編集者が単行本づくりに大量にまわってきたからでしょうか。


以下に気に入った部分の読書メモを。


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永劫回帰とは何か?意味を簡単に byニーチェ


もし時間が無限にあるならば、同じことが繰り返される。
川で石を投げて水切りをしたとする。同じルートをたどって水に落ちる石はあるか?
100回ではないかもしれない。1万回ならあるか?無限に投げればそれはある。
スロットで777が揃う確率は低いが、無限にやれば777が揃うこともある。

たとえば過去に辛いことがあったとする。
乗り越えても、それは何度でも必ず繰り返す。それが永劫回帰。
確率論的に考えると、辛いことはまたいつか回り回って繰り返される。
いま辛いことを乗り越えても、また苦しみや悲しみは襲ってくる。

永劫回帰は受け入れるべきだ。そうすれば道は開ける。
永劫回帰を受け入れることを「運命愛」という。
リストラや事故、辛いことをニヒルに考えず、自分が望んだことだと考える。

それは素晴らしい考え方だけど、きれいごと。難しすぎる。それができる人を「超人」という。
超人は永劫回帰を受け入れ、新しい価値を創造できる者。

ニーチェは児嶋アリサを超人にするために現世にやってきた。




人が悪だと思うもの byニーチェ


人が何かを悪だと思うことは、たいがい妬みや嫉妬からきている。
妬みや嫉妬の対象になるものが悪で、悪の反対側にあるのが自分であると人は考える。
人間は自分を正当化したがる。

悪を決めつけることで自分を正当化する。これは日常的に行われている。
たとえば音楽の趣味。さいきん流行ってるアーティストはダサい。
という人は、流行りに流されない自分は利口でまともだと考えている。
何かを悪と決めつけことは、自尊心を高める行いでもある。




憂愁とは何か? byキルケゴール


青年は希望に幻影を持ち、老人は思い出に幻影を持つ。
何歳になっても人は黄昏れる。そういうせつない気持ちに浸ることが憂愁。




人生とは? byショーペンハウアー


人生は苦悩と退屈の間を行ったり来たりする振り子のようなもの。
人生は苦悩と退屈の間を、行ったり来たりの繰り返し。

どういうことか?
欲望は苦悩と結びついている。
欲望が生まれるということは、欲しいものをいま自分はもっていない、という苦悩を生む。
欲望と苦悩は切っても切り離せない。

そして何かを手に入れる。
手に入ったときは嬉しい。しかし欲望が満たされてもそれは永久ではない。
いまもってるものでは物足りないという飽きがくる。つまり退屈にみまわれる。

退屈に襲われるとどうなるか?
また新しい欲望がわいてくる。かくして苦悩と退屈は行ったり来たりする。




サルトルの「嘔吐」に書かれていること。ゲシュタルト崩壊


かんたんにいえば、離人感とゲシュタルト崩壊について書いてある。

ゲシュタルト崩壊について。
たとえば「焼」という漢字を20個書いてみる。
たくさん書いてると、あれ?焼ってこんな漢字だった?て一瞬わからなくなる。
なにか違和感を感じる。

同じ漢字をずっと書いたり、ひとつのものをじっと見ていると、
途中でよくわからなくなってくるその違和感が、ゲシュタルト崩壊。




哲学には3つの根源がある byヤースパース


哲学するきっかけとなるものが3つある。
驚き、疑い、喪失。この3つがきっかけ。

驚き。プラトンは「驚きこそ、求知のはじまりである」
考えるきっかけになるハッとする驚きをタウマゼインという。

疑い。デカルトは「我思うゆえに我あり」

喪失。エピクテトスは「哲学の起源は自分の弱さ、無力を認めること」
自分ではどうしようもできない辛い状況で、自分自身について考えること。


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その他に、本書から各人の名言を。

ニーチェの名言


「祝福できないならば呪うことを学べ」
祝福できない自分を恥じなくていい。自分を否定することはない。
いっそうらやましいやつを呪ってもいい。




キルケゴールの名言


「人生は後ろを向くことでしか理解できないが、前にしか進めない」
過去には戻れない。未来は誰にも予想できない。




ショーペンハウアの名言


「富は海水に似ている。飲めば飲むほどのどが渇く」

「健康的な乞食のほうが、病める王より幸福」

「虚栄はおしゃべりを、自負は口数の少ない者を生む」
心に余裕のない人は必死に自分を飾り立てる。

「運命がトランプをシャッフルし、我々が勝負する」
人は平等ではない。手持ちのカードは変えられない。どう勝負するかは自分次第。





あなたを助けることができない♪
自分のことは自分で助けなきゃ♪
あなたは哲学の学位も持ってるんでしょ♪
大事なのは過去の知識じゃなくて いま自分で何ができるか♪



エイミーワインハウスで、ヘルプ・ユアセルフ♪




ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙

ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙

  • 作者: ヨースタイン ゴルデル
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 1995/06/01
  • メディア: 単行本





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