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【日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム】書評と要約|穀物メジャーvs農協 [本/Biz経済]


日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム

日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム

  • 作者: 三橋 貴明
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2018/03/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム/三橋貴明/18年4月初版】


食糧は安全保障上の武器だそうです。
日本は、穀物自給率がとても低い。
右の端っこの、めっちゃ低いのが日本です。


世界の穀物自給率.JPG


おなじように低いオランダはEU加盟国。日本は島国で周囲に友好国もいない。
コメだけはなんとか100%だけど、それ以外はどうすんねんというレベル。
小麦、大豆、とうもろこしは、半分以上アメリカから輸入してます。

保護もされてません。
主要国の農業所得に占める補助金の割合。
イギリス91%、フランス95%、ドイツ70%、スイス105%。
日本はわずか35%。アメリカは「不足払い」というシステムなので計算しにくい。
スイスなんかは100%を超えてるので、農家は公務員という事になる(笑)。


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世界最大の穀物メジャー「カーギル」。
目障りで目障りでしかたない存在がある。日本の「全国農業協同組合連合」、全農です。
厳密には、全農の子会社の「全農グレイン」が大嫌いみたい。

カーギルは遺伝子組み換え作物を日本に輸出したい。そうすれば利益が最大化できる。
全農グレインはアメリカの個別の農家と契約して、分別管理(IPハンドリング)して、
日本に遺伝子組み換え(GMO)作物が入ってくるのを、なんとか防いでいる。

農産物について、種子の段階から生産、流通において分別管理して、
数百万トンの穀物をアメリカから輸出可能な有色人種の企業は「全農グレイン」以外にはない。

全農、全農グレインの存在が、カーギルにとっては「利益最大化の障壁」になっている。
全農グレインがIPハンドリングしてるので、カーギルもやらざるをえない。
IPハンドリングは、当然ながらコストアップ要因になる。

親会社の全農は協同組合。なのでそれほど利益は乗せない。
すると競合のカーギルも大幅な利益を乗せることができない。

憎き全農グレインをなんとか「企業買収」したい。でも協同組合なので買収できない。
あきらめるのか?あきらめるはずがない。

2015年の農協改革で、2020年以降全農を株式会社化できる法案が可決された。
カーギルは2020年以降あらゆる手段を使って、全農の買収を狙ってくる。

自民党議員のがんばりで、それなりに骨抜きというかハードルは設けられているが、
たぶん小泉Jrあたりが、「全農は既得権益だ!」という批判をぶつけて株式会社化が進むだろう。
お父さんの時と同じように。。



続いて「種子法廃止」について。
日本のコメをはじめとした種子。
日本の種が優良で、多様で、かつ「安い」のは、種子法によって「税金」を投入してるから。

恐ろしいことに2017年4月、種子法廃止が決定された。
5月、農業競争力強化支援法まで国会を通ってしまった。ちゃんと仕事しろ国会議員。
5月の法律は、税金でつくった優良な種を、民間に提供することが定められた。
しかも外資規制がない。きわめて売国法。いわゆるモンサント法。

種子法の廃止で、各都道府県の「ほ場」の管理や種の生産は不可能になっていく。
都道府県が種を供給することが困難になる反対側で、モンサント社が日本において、
遺伝子組み換えを含む種のビジネスを拡大していく。

ちなみにアメリカではモンサント社のロビー活動で、
「GMO(遺伝子組み換え作物)使用」「GMOを使用していません」などを、
パッケージに示すことは禁じられている。

詳細は本書にゆずるが、アルゼンチンの農牧水産庁長官は「モンサントの罠にはめられた」。
GMO大豆の生産地が432倍に増えた。アルゼンチン全体の耕地のじつに60%。
モノカルチャー化してしまった。

大資本(とくに海外資本)による買収が進んで、15万人の農民が廃業。
外資がカーギルやモンサントなど、現代の東インド会社と連携して、
GMO大豆によるモノカルチャー化を推し進めた。
結果的に国民の胃袋を満たす国民農業は衰退。食料価格は高騰。

隣国のパラグアイやブラジルも同様の状況に追い込まれる。
インドではモンサントの種の問題で、自殺者が続出。

16年9月、バイエルがモンサントを7兆円で買収することが合意された。
これでGMOによる体調不良を、バイエルが「マッチポンプ」できることになる。
18年3月現在、米司法当局の承認はおりてない(反トラスト法がらみ)。



⇒モンサントは世界中から非難が集中してます。やりすぎですよね。
ロックフェラーが大株主。これがロスチャイルド系のバイエルに移行する。
批判をかわすためなのか、デヴィッド死去にともうなう措置なのか。背景はよくわかりませんが。
ちなみにカーギル家は、ロックフェラーのチェースマンハッタン銀行に資金支配されてる。
資金面では、カーギルもロックフェラー系。



以下にその他の読書メモを。


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なぜ黒人は奴隷になったのか?


コロンブスのアメリカ到達以降、ヨーロッパ人は現地で砂糖、たばこ、コーヒー、綿花など、
利益のためのプランテーション農業を展開した。プランテーションの労働力として奴隷を使った。
当初は先住民のインディオを、インディオの人口が激減してからはアフリカの黒人を導入した。

奴隷の生活は劣悪で、死亡率は出生率をはるかに上回る。
アメリカ大陸には恒常的に「奴隷の需要」が存在した。
需要がある以上、供給すればビジネスの利益は膨らむ。

奴隷を真っ当な労働者として扱い出生率を引き上げるより、
新たな奴隷をアフリカ大陸より連れてくる方が「コスト安」だった。
そのほうがプランテーションの利益が増えた。

アフリカ沿岸で引き渡される奴隷一人あたりの「費用」は、
アメリカ大陸における奴隷の「育成費」4年分にしか相当しなかったそうだ。

奴隷交易がおこなわれていた3世紀の間に、
アフリカからアメリカへ売られた奴隷は、約1000万人に達した。

なぜそんなに多くの人が「交易商品」と化してしまったのか?

①当時のアフリカ大陸には、奴隷交易を「規制」する国家権力が存在しなかった。

②日常的に戦争を繰り広げていたアフリカの諸部族に、
ヨーロッパ人は、「敵国の捕虜を売らないか?」と持ちかけた。
一部の部族ではなく、交戦部族すべてに対して、敵国捕虜を売るようにささやいた。
ヨーロッパ人は戦争を煽り、両者の捕虜を安く購入しアメリカ大陸へと送った。




日本人も奴隷として売られていた


歴史上で一度だけ、日本人が「奴隷」としてビジネス目的で、
海外に売り飛ばされていた時代がある。

日本の教科書には決して載らないのだが、
いわゆる「南蛮貿易」の時代、多数の日本人が外国に奴隷として売られていた。
日本人が「奴隷交易」の対象になった。

ポルトガル人が種子島に漂着した1543年から、1587年までのおよそ半世紀だ。
豊臣秀吉がイエズス会のガスパール・コエリョに、
「奴隷交易禁止」を要求する手紙を送りおさまった。
秀吉は、日本人が牛馬のごとく扱われるのが我慢できなかったようだ。

厳密には日本人を奴隷として売ったのは、九州のキリシタン大名。
日本の奴隷を仕入れたヨーロッパ商人は、マカオやマニラ、ゴアなど、
支配下にあるアジア地域に日本人を運び売却した。

この話のポイントは、
民間が「自由」に貿易するグローバリズムにおいて、
「ヒトの移動の自由」ならぬ「ヒトの売買」が盛んになり、
それを規制するためには国家権力が必要だった、という点だ。

当時のポルトガル商人は、日本人の人権よりも「ビジネス」に重きを置いていた。
自由貿易のみを善と考えるグローバリズムは、ポルトガルの奴隷商人のように残酷だ。




日本郵便の負担は国民に


「日本郵便」の赤字は、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の黒字でカバーする構造だった。
ゆうちょは1560億円、かんぽは931億円の代理業務手数料を、
親会社の日本郵政に払っている。

日本郵政は、両子会社の代理業務手数料で日本郵便の赤字を補てんし、
なんとか日本全国に郵便サービスを提供し続ける。

小泉の郵政民営化。
2015年、東証に3社が上場。最終的には完全民営化される。

毎年黒字の「ゆうちょ」や「かんぽ」は切り離され、赤字の「日本郵便」だけ残る。
郵便はどうなるのか?サービス維持のため税金投入、もしくは値上げだ。

「ゆうパック」。基本運賃を2018年3月以降、12%の値上げとした。
今後は「ゆうパック」だけでなく封書料金も引き上げられる。
もしくは税金が投入される。

一体、何のための郵政民営化だったのか?だれが得をしたのか?
単体であれば黒字が確実な、「ゆうちょ」や「かんぽ」に投資したグローバリストたちだ。

JAグループの農林中金やJA共済も、まったく同じスキームが用いられるだろう。




なぜ中世ヨーロッパでは胡椒が貴重だったのか?


中世ヨーロッパでは、胡椒は貴重だった。
「胡椒一粒は黄金の一粒に匹敵する」とまでいわれた。
人類の近現代史は、胡椒(スパイス)が動かした。

なぜか?
欧州の農業生産性が、極めて低かったからだ。

現代の稲作の収量倍率は130倍。
1粒の種から130粒のコメが収穫可能。
それに対して小麦はイギリスで約16倍。

中世では小麦はわずかに5倍だった。小麦1粒でたった5粒しか収穫できなかった。
当時の日本では稲作で20倍だった。

江戸中期でも、日本は1ヘクタールで10人以上が生きられるカロリーを得ていた。
同時期の欧州は、1人生きるのに1ヘクタール以上の農地や牧草地が必要だった。
土地の生産性が、中世欧州は日本の10分の1だったのだ。

日本人はコメを食い、周囲を海に囲まれていたので、たんぱく質は海産物から得た。
欧州の人は畜産物からたんぱく質を得た。
小麦と牧畜が胃袋を満たす主力だったので、中世欧州の土地の生産性は極端に低かった。

また欧州ではたんぱく質を得るために牧畜が行われたが、干し草の保存はできなかった。
そのため家畜のほとんどを秋に「と殺」せざるえなかった。

欧州の人は家畜の肉を塩漬けにし、冬を乗り切るために保存した。
塩漬け肉は日がたつにつれ腐敗臭がひどくなり、味が劣化する。味も単調この上ない。
しかしほかに食べるものもない。春を迎えるまで、腐った肉、干した魚を生きるために食べた。
そこでスパイスの出番というわけだ。胡椒以外にも、ナツメグ、クローブ、シナモンなど。

スパイスは塩漬け肉や干し魚の嫌なにおいを消し、殺菌作用もあり、味わいも良くした。
スパイスは肉の防腐剤としても役立つ。欧州の香辛料の需要は「無限」に近かった。
しかし供給は限られていた。

ローマ帝国が滅亡。中東にイスラム帝国が勃興すると欧州へのスパイス流入量が激減。
中世欧州においては、胡椒は、祝祭、結婚、贈答に用いられた。
封建領主は臣下への褒美に胡椒を選んだ。

1453年にオスマントルコの攻撃でコンスタンチノーブル陥落。東ローマ帝国滅亡。
中東から欧州に至る「スパイスロード」は閉ざされ、スパイスの交易量は更に激減。

オスマントルコ領を経由せず、
インドや東南アジアとの間に「スパイスロード」を結ぶことが、
欧州人の悲願となった。

当時インド洋は内海だと考えられていた。
アフリカ大陸の南端を確かめた欧州人はいなかった。

1492年、コロンブスがスペイン女王の支援を受け、インド到達を目指し出港した。
「地球は丸い」という新たな概念に基づき、「胡椒」を求め海に出た。

歴史で習ったように、コロンブスは西インド諸島に到達。
やがてスペイン人は、残虐なやり方で現地の先住民を制圧しはじめる。

1521年にはだまし討ちでアステカ帝国(メキシコ)を亡ぼし、
1533年にインカ帝国(ペルー)の皇帝から金銀を強奪したうえで絞首刑にした。

さらに1572年には最後のインカ帝国皇帝を殺害し、完全に滅亡させた。

スペイン人は征服地にサトウキビをなどを持ち込み、
欧州向けの農産物を大量生産するため、先住民を奴隷として働かせた。
いわゆるプランテーション。グローバリズムの始まりです。




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  • 発売日: 2015/07/29
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(関連記事)
【亡国の農協改革/三橋貴明/15年9月初版】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-10-13

【インディアスの破壊についての簡潔な報告/1552年初版/ラスカサス】
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2012-06-26

【シリコンバレー式自分を変える最強の食事/デイブ・アスプリー/15年9月初版】
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